客先への出向を機に仕事環境が大きく変化。
周りの人々から自由と責任を学び、初めて自分の自信にも繋がる結果に。
4年目に訪れた転機
皮肉なことに、感情を殺してただ目の前の仕事をこなすようになってからは、徐々に仕事でも評価されるようになっていきました。
そして入社4年目の終わり頃、超大規模プロジェクトのサポートメンバーとして抜擢され、お客様の元に出向することに。
抜擢されたのは3人で、そのうち2人は課長クラスな上に自社の人間ではない。つまり実質一人でお客様の元に出向くことになりました。
元々、自分の能力に自信がなかった僕にとってこの大抜擢はとてつもないプレッシャーでしたが、結果的にこの異動が僕にとって大きな転機となったんです。
自由と責任を学ぶ
僕が派遣された所は誰もが知るような大企業であり、働く人たちもこれまでとはレベルが違う優秀な方ばかりでした。
そしてそんな方々と一緒に仕事をしているうちに、これまでの環境とは異なる点がいくつかあることに気付いたんです。
一つ目の違いは『仕事に対する責任』。
これまでの現場では仕事の責任はチームリーダーにあり、配下のメンバーはただその人に言われたことをやるだけでした。
しかしここでは、チームではなく一人一人が別の仕事を持っており、それぞれがその仕事に責任を持っているようでした。
次に気付いたのは『仕事への主体性』。
これまでの現場では『言われたからやる』のであって、自ら率先して動く人はほとんどおらず、「そんなことをしても損するだけ」という空気すら漂っていたんですよね。
しかしここでは、『自ら考え、自ら動く』という考えが当然のようでした。だからこそ、責任を持ってるようにも見えたのかもしれません。
そして最後に、何より一番の違いだと思ったのは『自由に仕事をしている』という所。
どの人もかなり忙しくて、非常に大変そうでしたが『やらされている感じがしない』。これは本当に大きな違いでした。
僕はこれらの違いに気付くことで、自由と責任は2つで1つの関係性だと学べたように思います。
初めて手にした自信
僕が派遣されてから1年ほど時間が経った頃、サポートメンバーは3人から6人に増え、僕はテストチームのリーダーを任されていました。
この頃は朝から晩まで会議ばかりで、毎日遅くまで残業をしていたんですが、それでもあまり辛いと思うことはなく、むしろ自分の仕事にやりがいを感じていましたね。
そんなある日、僕はサポートチームのリーダーの方からこんな言葉を頂いたんです。
「大野さんの報告書は本当にわかりいやすい。ここまでわかりやすくできる人はなかなかいないと思うよ。自信もっていいんじゃない?」
僕はこれを聞いた時、本っっ当に嬉しかったです。ずっと意識してきた『相手へのわかりやすさ』を褒めてもらうことがこれまでなかったので、初めて報われたような気がしました。
これをきっかけに、自分の仕事に対して少し自信がついたような気がします。自分が正しいと思うことを信じて続けていればいつか報われるとこの時は思えたんですよね。
そして派遣されてから1年半くらいの頃、サポート対象だった超大規模プロジェクトも無事終わり、サポートメンバーの任期を終えた僕は元の現場に戻ることになりました。
この時の1年半は、僕の会社員生活の中でも最も充実した時間だったと今でも思います。
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