こんにちは。
心理セラピストの
大野貴之(おおのたかゆき)です。
『感情を感じることが大切ですよ』
心理系の本でもブログでもSNSでも、絶対と言っていい程この言葉は目にすると思います。
実際、僕の立場から見ても感情は心の問題だけでなく身体の問題にまで影響を与える程大きなエネルギーなので、非常に大切だと思います。
ただ、どれだけ「感情を感じましょう」と言われても、「そもそもそれをどうやればいいかわからないんだよ!」という方も実は少なくありません。
今でこそ変わってきましたが、長い間、感情は社会では”余計なもの”扱いされていたため、使い方を忘れてしまった人も多いんです。
そこで今回は、どうすれば感情をまた感じられるようになるのかを”3ステップ”にして紹介したいと思います。
感情を感じるのが苦手、原因不明の体調不良になりやすい、といった方はぜひ最後まで目を通してみてくださいね。
感情を感じるまでの流れ
感情を感じるのが苦手な人は、これまでの人生の中で感情を感じることを禁止してしまった人です。
そういった人がいきなり感情を感じようとしても、「そもそもどれが感情かわからない」状態になります。
ですので、いきなり感情を感じようとするのではなく、以下の3ステップに分けて自分の内面を探っていくのがおすすめです。
① 今の状態(体感覚)を知る
② 思ってること(思考)を知る
③ 感じてること(感情)を知る
それぞれ詳しくやり方を説明していきますね。
ステップ①:今の状態を観察する(体感覚)
何かわからないけど気分が優れない…病院に行っても原因不明の体調不良がある…
そんな状態になってしまった時は、まず『今の自分の身体の状態を観察』してみましょう。
2、3回深呼吸をして身体を落ち着かせ、軽く目を閉じて、頭のてっぺんから足のつま先までをスキャンするように意識を張り巡らせてみてください。
そうやって気づいたことを何でもいいので言葉にしてみます。
- 疲れてる
- 眠たい
最初はそんな感じでも大丈夫です。慣れてきたらもう少し部分を絞ってみましょう。
- 頭が痛い
- 肩が凝っている
- 足が重い
部分的な身体の状態がわかってきたら、細かい感覚を言葉にすることにも挑戦してみてください。
- 胸がきゅーっとする
- 背中がそわそわする
こんな風に、今の身体が感じている「体感覚」を言葉にすることが感情を知るためのステップ①です。
慣れてない人にとってはこれだけでも難しいと思いますが、時間をかけて少しずつやってみてくださいね。
ステップ②:自分の考えを観察する(思考)
ステップ①では自分の「体感覚」に意識を向けて言葉にしてみました。
これだけでも自分としっかり向き合えていますが、まだ少し「客観的」に観察しているような状態です。
ですので、ステップ②からはもっと自分の”内側”に入って「主観的」な部分を観察していきます。
具体的には、ステップ①で気づいた自分の状態に対して、自分の思うことを言葉にしてみてください。
その時、こんな風に自分に質問をするとやりやすいと思います。
「○○な状態の自分をどう思う?」
(※○○はステップ①で気づいた状態)
こうやって自分に問いかけ、頭に浮かんだことを言葉にしてみてください。
- ちょっと頑張りすぎだと思う
- そんな自分がかわいそうに思う
こんな風に自分を労うような考えが出てくることもあれば、
- こんなことで甘えてはいけない
- やめたいけど頑張るしかないんだ
のように厳しい考えが出てくることもあるでしょう。
ここで大切なのは、どんな考えが浮かんだとしてもそれを否定しないこと。
“良い/悪い”や”正解/不正解”はありません。
そんなこと思っちゃダメとか、そんな風に思う自分は嫌だとか、自分の考えをジャッジすることなく、そのままを受け止めてみてください。
これでようやく自分の内側が見えてきましたね。
これも慣れるまでは難しいと思いますので、ゆっくり時間をかけて挑戦してみてください。
次はいよいよ最後のステップ、「感情」に触れていきます。
ステップ③:自分の気持ちを観察する(感情)
自分の無意識の考えがはっきり見えてきたなら、いよいよ最後のステップに入ります。
ここでは、自分の考え(思考)に対する気持ち(感情)を言葉にしてみましょう。
その時、こんな風に自分に質問をするとやりやすいと思います。
「○○なように考えるとどんな気持ちがしてくる?」
(※○○はステップ②で気づいた考え)
こうやって自分に問いかけ、頭に浮かんだことを言葉にしてみてください。
- いつもいつも大変で辛い…
- 自分ばっかり頑張るのはもう嫌だな…
- 頑張らないと怒られそうで恐い…
これもステップ②と同じように、何がでてきても否定せずに受け止めてください。
怒るなんて子どもみたいだ…とか、こんなことで辛いなんて情けない…とかは絶対にNG。
自分の中から感情が出てきたなら、ポジティブだろうがネガティブだろうが関係なく大事に感じてみてください。
そうやって大事に感じてみると、徐々に身体が落ち着いていくと思います。
その感覚こそが、『感情を感じる』といった感覚なんです。
原因不明の不調を感じたら自分を観察する
どんな感情でも、ちゃんと意味があるから身体に沸き起こってきます。
その意味に気づかず、嫌ったり無視しようとするから身体がおかしくなるんです。
ですので、自分の感情に気づいたならそれを否定せずに正面から受け止めてあげてください。
なんかモヤモヤする…なんか体調が悪い…そう感じた時は、こんな風に自分自身を丁寧に観察してみてください。
そうすれば、自分でも気づいていなかった意外な原因に気づくこともあります。
そして心の問題は「原因に気づく」だけでも半分は解決したようなもの。
- 本当は自分は怒ってたんだ…
- ずっと悲しいのを我慢してたな…
そうやって自分の身体が発しているメッセージに気づくだけでも、身体は喜んで楽になっていくものなんです。
難しくても焦らなくて大丈夫。
ゆっくりじっくり、自分の身体と対話を繰り返して、少しずつ仲直りをしてみてください。
そうすれば、心身共に健康的な生活に結びついていくはずですよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
心理セラピスト 大野貴之