目次
- 1 「希望」は「絶望」の後にしか現れない
- 2 「心的外傷後成長(PTG)」という考え方
- 2-1 ①他者との関係が変化
- 2-2 ②新しい可能性に気がつく
- 2-3 ③自分の長所に気が付く
- 2-4 ④精神的変容
- 2-5 ⑤人生に対する感謝が増す
- 3 あったかもしれないもう一つの人生は?
こんにちは。
心理セラピストの
おおのたかゆきです。
「毎日が苦しい」
「何のために生きているかわからない」
もしかしたら、あなたはそんな風に苦しんでいるかもしれません。
僕自身、そう思っていた日々も長く、終わりの見えないトンネルを走り続けているような感覚を持っていました。
まさに「絶望」です。
ですが、実は「絶望」と「希望」には大きな相関関係があることを知っていますか?
簡単にいうと、「絶望」は”終わり”ではなく、”新たな始まり”でもあるんです。
今回はそういった「絶望」と「希望」に関するお話をしようと思います。
今、絶望を感じているあなたにこそ読んでいただきたい内容です。
ぜひ最後まで目を通してみてください。
「希望」は「絶望」の後にしか現れない
ハーバード大学で行われた「感情」に関する研究によると、人の感情は全部で12種類に分類できることが判明したそうです。
そして、その12種類の中でも「希望」という感情には、他にはないある特徴があったとのこと。
それは、『希望はそれ単独では現れず、”絶望”の後にのみ現れる』というものです。
人の心の研究はまだまだ未完成なので、この研究結果が絶対だとは思いません。
ですが、この「希望」の特徴については、個人的にもすごく納得しました。
というのも、僕の周りにいる幸せそうな人たちを見ていると、人生のどこかで絶望的な経験をしていることが多いんです。
さらに、その経験があったからこそ今の幸せがあると、多くの人が口を揃えて言います。
これは僕自身も感じていて、うつ病で何度も死にたいと思っていたあの時期があったからこそ、それが今の仕事で活きていると痛感しています。
この考えが正しいとすれば、今、「絶望」を感じている人は、この後に「希望」が表れる可能性が高いとも言えますよね。
ですので、もしあなたが今、どれだけ苦しい状況にいるのだとしても、絶対に諦めてほしくないと僕は強く思うんです。
ただ、今が苦しいと、そう簡単にはそんな風に考えられないですよね。
そこで、少しでもこの考え方を信じてもらうために、他の事例についてもご紹介します。
実は、この考え方を裏付ける似たような研究結果は、これ以外にもあるんです。
「心的外傷後成長(PTG)」という考え方
次にご紹介したいのは「PTG(Post-Traumatic Growth)」という考え方。
日本語にすると「心的外傷後成長」と訳すことができます。
これは、トラウマ治療の世界で良く用いられる考え方で、心理学者のリチャード・G・テデスキという方が提唱しました。
その内容とは『トラウマ体験をした人の90%近くが、その体験を乗り越えた後に心理的成長を遂げる』とうものです。
具体的には以下の5つの側面で成長すると言われています。
①他者との関係が変化
②新しい可能性に気がつく
③自分の長所に気が付く
④精神的変容
⑤人生に対する感謝が増す
それぞれ、僕自身の体験と照らし合わせながら詳しく説明していきますね。
①他者との関係が変化
人は大きな困難を乗り越えると、以前よりも人間関係を深く意味のあるものと考えられるようになります。
例えば僕の場合、うつ病に苦しんでいた時は世の中の全ての人間が憎いくらいの感覚を持っていました。
ですが、その後、様々な人に出会い、助けられ、なんとか今の状態まで来ることができました。
こういった経験をしたことで「世の中にはひどい人がたくさんいるけど、それと同じくらい素晴らしい人もいる」と思えるようになったんです。
その結果、自分にとって大切な人は絶対に大切にしようと強く思うようになりました。
②新しい可能性に気がつく
辛い体験や大きな挫折をした時は、それを乗り越えようと自分と深く向き合う時間が増えます。
その結果、それまでにはなかった新しい生き方、可能性に気がつくことがあるんです。
僕の場合、これはまさにそのまんまの体験をしていています。
うつ病で仕事を退職したからこそ、自分にとっての幸せな生き方と向き合う機会が生まれ、それまでとは全く異なる今の生き方と出会えました。
③自分の長所に気が付く
辛い時期を乗り越えるには、精神的な強さや、能力をフル活用する必要があります。
その結果、普段は気がつかなかったたくさんの強みが発見されることがあるんです。
これも2つ目と同じで、最初に就職したシステムエンジニアという仕事は本当に自分に合わない仕事でした。
ですが、身体を壊して退職し、これからどうするかを模索する中で、自分は心理の世界が向いていると気づくことができました。
④精神的変容
大きな挫折を乗り越えた後は、信仰が深くなったり倫理観が向上することがあります。
僕たち日本人は信仰という側面ではあまりピンとこない人も多いかもしれません。
ですが、例えば死の淵から生還したような体験をした人は、神様に生かされたような感覚になる人も多いでしょう。
僕の場合、これを書いている今気づきましたが、心理の世界を勉強しだしてから神社とか神様といった力を信じるようになりましたね。
そこまで信仰深いわけではないですが、定期的に神社にお参りに行きますし、そういった不思議な力に自分は守られてると思うことが増えました。
⑤人生に対する感謝が増す
辛い体験をしている時、当たり前のことが当たり前にできないことも多いです。
その体験を乗り越えた時、なんでもない日常がいかに素晴らしいものか強く感じ取れるようになります。
僕の場合、システムエンジニア時代はとにかく忙しくて自由がなく、ろくな趣味もなく、何のために生きているかわかりませんでした。
その経験があったからこそ、おいしいものを食べたり、映画やゲームなど趣味の時間を楽しむといった日常さえありがたく感じられます。
あったかもしれないもう一つの人生は?
いかがだったでしょうか?
ここまでの内容は「変化・成長」といったニュアンスが強かったと思いますが、実は僕の考え方は少し異なります。
僕は人が絶望から立ち直る時、それはもちろん「変化・成長」でもありますが、厳密には「本来の自分に戻る」ことだと思っています。
例えば、あなたがとにかく毎日が辛くて、もしかしたら「死にたい」気持ちすらあるかもしれません。
ですが、その「死にたい」気持ちは、赤ちゃんとして生まれた時から持っていたと思いますか?
恐らくそんなことはないと思います。
人間なら誰でも「生きたい」「幸せになりたい」といった本能を持っていますからね。
ですが、生まれた”後”の何らかの体験(トラウマ、心の傷)により、「死にたい」と思うようになってしまったんです。
そして「悩み・生きづらさ」というのは、「本来の自分に戻ろうよ」といった身体からあなたへのメッセージだと僕は考えています。
考えてみてください。
もし、今の悩み生きづらさがなかったとしたら、
- 本当のあなたはどんな生き方をしていますか?
- あったかもしれないもう一つの人生はどんなものでしょう?
これを取り戻すのに「遅すぎる」なんてことはありません。
目の前にある「絶望」を乗り越えた先にあるもう一つの人生に向かって、絶対に最後まで諦めないでくださいね。
一人では難しいと感じるなら、「心の傷」を解消するお手伝いをいつでもさせていただきますよ(^^)
最後までお読みいただきありがとうございました。
心理セラピスト おおのたかゆき