目次
- 1 愛着スタイルとは
- 2 愛着スタイルの5つの型
- 2-1 安定型(自立型)
- 2-1-1 特徴
- 2-1-2 安定型が形成される要因
- 2-2 不安型(とらわれ型)
- 2-2-1 特徴
- 2-2-2 不安型が形成される要因
- 2-3 回避型(愛着軽視型)
- 2-3-1 特徴
- 2-3-2 回避型が形成される要因
- 2-4 恐れ・回避型
- 2-4-1 特徴
- 2-4-2 恐れ・回避型が形成される要因
- 2-5 混乱型(未解決型)
- 2-5-1 特徴
- 2-5-2 混乱型が形成される要因
- 2-1 安定型(自立型)
- 3 愛着スタイルを安定させる2つのポイント
- 3-1 安全基地となる存在
- 3-1-1 仮の安全基地に必要な5要素
- 3-2 自分を振り返る力
- 3-2-1 内省力を鍛えるならマインドフルネス
- 3-1 安全基地となる存在
- 4 安定した愛着スタイルで自分らしく生きよう
こんにちは。
心理セラピストの
大野貴之です。
- いつも人の気を遣いすぎて疲れる
- つい対人関係を避けたくなる
あなたにはそんな悩みはありませんか?
世の中にはこんな風に対人関係にストレスを感じる人がいる一方で、ストレスを感じることなく他人と信頼関係を築いていける人もいます。
両者の違いは一体何なんでしょう?
それは実は、その人の持つ『愛着スタイル』の違いにあります。
この記事では愛着スタイルの詳細とその種類、さらには愛着スタイルを安定させる方法を紹介しています。
対人関係に悩みを抱えている人は、ぜひ最後まで目を通してください。
愛着スタイルとは
『愛着スタイル』とは、簡単に言うと対人関係のパターンのことです。
- 誰とでも親密になれる人
- 人に気を遣いすぎてしまう人
- 人との関わりを避けようとする人
など、人によって決まった対人関係のパターンってありますよね。
そのパターンを作っている考え方や感じ方といった、その人の人格の根底にあるものを愛着スタイルと呼びます。
愛着スタイルは幼少期の養育者との関わりによって形成され、子どもの頃に安定した愛着スタイルが作られた人は他人との信頼関係をうまく築けるようになります。
しかし、愛着スタイルが不安定なまま大人になった人は
- 人に気をつかいすぎる
- 人に嫌われないか不安になる
- 人との関わりを避けるようになる
など、対人関係においてストレスを感じたり、他人と信頼関係を築くのが困難になる傾向があります。
こういった愛着スタイルの不安定さから来る生きづらさに悩まされる症状を「愛着障害」と呼びます。
愛着スタイルの5つの型
子どもの頃に養育者とどんな関わりをしたかでその人の愛着スタイルは決まりますが、その種類は大きく5つの型に分けられます。
ここでは、それぞれの特徴とその型が形成される要因を詳しく見ていきましょう。
安定型(自立型)
特徴
「安定型(自立型)」の人は愛着スタイルが安定しており、他人とほどよい距離感を作ることができます。
他人との境界線がはっきりしているので、相手を大切に扱いつつ自分の意見を言ったりNOを言うことにも抵抗はありません。
また、困った時や苦しい時は素直に人に助けを求めることができるので、ストレスを貯めにくいのも安定型の特徴と言えるでしょう。
安定型が形成される要因
子どもの頃に、ストレスや不安を感じた時には自分を守ってくれる存在が安心させてくれるといった関わりを受けていると、愛着スタイルは安定型になります。
しかし、子どもの面倒を見てあげればいいというわけではなく、子どもが求める時に必要な分だけ愛情を注ぐといった臨機応変な関わりが愛着スタイルを安定させる重要なポイントです。
不安型(とらわれ型)
特徴
「否定型(とらわれ型)」の人は、自分が受け入れてもらえているか?人から認められているか?に非常に過敏です。
そのため、いつも人の顔色が気になり、相手が期待通りの反応を示さないとすぐに不安になったり、相手の機嫌を取り戻そうと頑張ります。
しかし、そうやっていつも人に気を遣ってばかりいるのでストレスもたまりやすく、一旦不満が爆発すると逆に他人に対して攻撃的になる一面も。
自分や他人を過度に責めてしまうことが多く、否定的なことに過剰反応しやすいのが大きな特徴と言えるでしょう。
不安型が形成される要因
子どもの頃に、時には愛されるが時には拒否されるといったムラのある関わりを受けていた子どもは愛着スタイルが不安型になります。
具体的には
- 「良い子」でいる時は愛されたが「悪い子」になると強く拒否された
- 弟や妹ができたことで急にかまってもらえる時間が減った
- 養育者が不安定で気分にムラがある人だった
などの関わりを受けることによって子どもは不安になり、過剰に愛情を求めるといった反応を取るようになります。
回避型(愛着軽視型)
特徴
「回避型(愛着軽視型)」の人は、愛情や友情といった人とのつながりを煩わしいと感じ、対人関係を避けようとします。
たとえ親しい仲になったとしてもそれはうわべだけの関係であることが多く、回避型の人はそもそも他人に情緒的なつながりを求める気持ち自体がよくわかりません。
また、回避型の人は問題を遠ざけることで自分の身を守る(結果的に守られることはないが)傾向があります。
そのため、切羽詰まった状況になってからようやく対処しはじめたり、体調を大きく崩すまで絶対に病院に行かないなどの不可解な行動を取ることも少なくありません。
これらに共通する回避型の人の心理の特徴は、「感情的なこと(人と親密になる、問題に直面して不安になるなど)には悩まされたくない」といったものです。
回避型が形成される要因
子どもの頃に、愛情を求めても誰も応えてくれないなど、養育者から放っておかれる体験を繰り返すことで子どもの愛着スタイルは回避型になります。
愛情を求めても応えてもらえず、泣いても怒っても誰も助けてくれないといった体験によって、子どもは感情や欲求を出しても傷つくだけでムダだと学んでしまいます。
回避型の愛着スタイルを持つ人は、子どもの頃に自分の感情や本心は抑え込むことが当たり前となってしまい、気がつけば自分でも自分の気持ちがわからなくなった人なんです。
恐れ・回避型
特徴
「恐れ・回避型」は不安型と回避型の両方の特徴を併せ持つタイプで、本心では愛情を求めているけど、傷つけられる恐怖から対人関係を避けようとします。
回避型と同じく他人との距離を縮めることに抵抗を持っていますが、一度心を開くと親密な関係を築くこともできます。
ただし、不安型のように相手に嫌われるかもしれない不安も抱えているので、たとえ人と親密になったからといって安定した関係にはなりにくいでしょう。
恐れ・回避型が形成される要因
子どもの頃に、過保護・過干渉といった関わりを受けると子どもの愛着スタイルは恐れ・不安型になります。
本人のニーズに関係なく一方的に何かを与えられたり指示を受けたりする境遇に身を置き続けると、子どもは主体性をなくしたり、他人は自由を奪う存在だとみなすようになります。
そのため心理的なつながりを好みませんが、その一方で親には依存して常に良い子であろうと他人の顔色をうかがうので、不安型と回避型の両方の特徴を持つ子になるのです。
混乱型(未解決型)
特徴
「混乱型(未解決型)」は、養育者との関係において大きな愛着の傷を負っており、その傷が他の対人関係にも影響しているタイプです。
普段は冷静に見えても愛着の傷に関係することに触れられた途端、動揺して涙ぐんだり激しく怒りを出すなどの不安定な状態に陥ってしまいます。
混乱型の人は、過去の傷から自分を守るために一時的に意識が飛んだり(解離症状)、不快な気持ちを紛らわせるために酒・ギャンブル・セックスなどの依存症になる危険もあります。
混乱型が形成される要因
子どもの頃に、親の死別・離婚・親からの虐待・ネグレクトなどによって愛着の傷を負うと、子どもは混乱型になります。
子どもの頃に受けた強いショックを克服できてないまま大人になる人も多く、非常に不安定な愛着スタイルと言えます。
愛着スタイルを安定させる2つのポイント
人の愛着スタイルは子どもの頃に形成されますが、大人になってから愛着スタイルを安定させることも可能です。
ここでは、愛着スタイルを安定させるために重要な2つのポイントをご紹介します。
安全基地となる存在
「安全基地」とは、簡単に言うと安心感を生み出す力のことです。
子どもの頃は母親などの最も安心できる養育者がその役割を担っており、その人に触れたり傍にいてもらうことで子どもは安心感を得ます。
そして、時間をかけてその人との間に愛着(愛情)の絆を築いていくことで、次第に子どもはその人が実際にそばにいなくても自ら安心感を生み出せるようになっていきます。
これが「愛着スタイルが安定した状態」です。
つまり愛着スタイルが不安定な人は、子どもの頃に何らかの理由で養育者が安全基地の役割を果たせなかった人ということです。
そういった人が大人になってから愛着スタイルを安定させるには、子どもの頃にできなかったことをやり直していくしかありません。
つまり、その人にとって仮の安全基地となってくれる存在(否定される不安を感じずに何でも話せるような存在)が必要不可欠ということです。
なお、仮の安全基地は実の両親でなくても家族・友人・恋人・教師・カウンセラーなど誰でも問題ありません。
ただし、以下の5つの要素を満たす人が望ましいでしょう。
仮の安全基地に必要な5要素
- 安心感を与えてくれる
- 求めた時はすぐに応えてくれる
- 気持ちに共感してくれる
- いつも一貫した対応をしてくれる
- 人として心から誠実に対応してくれる
自分を振り返る力
愛着が不安定な人は、自分を客観的に見たり自分に起こった出来事を振り返る力が弱い傾向があります。
例えば、不安型の人は感情的になって周りが見えなくなりやすく、回避型の人は自分のことを深く考えたり振り返るのを避けようとします。
そのため、自分の感情と向き合いつつも飲まれない適度な距離を保ち、自分自身を振り返る(内省する)力を鍛えていくことが重要です。
内省力を鍛えるならマインドフルネス
マインドフルネスとは簡単に言えば瞑想のことです。
元々は仏教圏で行われていた技法ですが、その効果が科学的にも立証されてきたため、瞑想から宗教色を取り除いたものとして「マインドフルネス」といった名前が広まりました。
瞑想と聞くと「無我の境地」とか「宇宙と一つに」なんてイメージがあるかもしれませんが、そういったことは必要ありません。
マインドフルネスで大事なのは
- ただ自分の思考や感覚に気づくこと
- それをジャッジ(評価)しないこと
の2点です。
無理に頭の中をからっぽにしようとせず、ただ自分の考えや感覚に気づいてみる。
そして、気づいたものに良い/悪いの評価はせずにそのままを受け入れる。
これを繰り返し練習していけば、物事をフラットな目線で見れるようになったり、感情が安定するといった効果があります。
慣れない内はよくわからない感覚になると思いますが、慣れてくると効果は絶大。
ぜひあなたの生活の中にも取り入れてみてください。
安定した愛着スタイルで自分らしく生きよう
対人関係に悩みを抱えている人は、その人自身に問題があるのではなくその人の育った環境に問題があっただけです。
そして幼少期に作られた愛着スタイルは、大人になった今からでも安定させていくことができます。
まずは自分の愛着スタイルを知る所からはじめ、そんな自分を冷静に振り返る練習をしてみてください。
そして何より欠かせないのが、自分を否定される不安を感じることなく何でも話せるような人の存在(仮の安全基地)です。
家族・友人・恋人など、この人なら信頼できるという人と一緒にいることで、徐々に愛着スタイルも安定していくでしょう。
どうしてもそんな人がそばにいないという方は、カウンセラーなどの専門家の力を借りるのも一つの手。
ちなみに僕の提供している『ライフチェンジセラピー』でも、愛着を不安定にさせる根本を癒やしてから安全基地を育てていくアプローチを行っています。
今なら特別価格で体験セッションを受付中ですので、気になる方はぜひお越しくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。