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こんにちは。
心理セラピストの
大野貴之です。
- いつも人の気を遣っている
- 人に見捨てられないか不安
そういった他人との関わりに悩みを抱えてしまう原因の一つに「愛着障害」があります。
「愛着障害」は幼少期に負った心の傷が原因で、現在の対人関係に生きづらさを感じてしまう症状。
とても根深い悩みではありますが、実は大人になってからでも「愛着障害」を克服することは可能なんです。
そして、愛着障害を克服するカギとなるのが『安全基地』といった心の仕組み。
この記事では、そんな安全基地とはいったいどういったものなのかを解説していきます。
人間関係に生きづらさを抱えている方は、ぜひ最後まで目を通してください。
安全基地とは
『安全基地』とは、一言でいうと「安心感を与えてくれる存在」です。
子どもは、ストレスや不安を感じると母親などの自分を守ってくれる存在に触れたりすることで安心感を得ます。
そして、この「自分を守ってくれる存在」が子どもにとっての安全基地です。
また、子どもは安全基地となる人と共に過ごしていくことで、その人との間に「愛着の絆」を築いていきます。
やがて十分な絆が築かれると、子どもはその人が実際にそばにいなくても「守ってもらえている安心感」を自ら感じられるようになります。
こうして一度自分の中に安全基地が作られた子どもは、安心して外界を冒険しようといった気持ちが芽生え、好奇心旺盛になって何事にも積極的に挑戦するようになります。
愛着障害とは安全基地を持たない大人
しかし、身近な人が誰も安全基地として機能していなかったり、放置されて育った子どもは安全基地が作られません。
自分の中に安全基地が作られないまま大人になった人は、
- 何事に対しても不安が強い
- 物事に対して消極的になる
などの特徴を示すようになり、こういった生きづらさに悩まされる症状を「愛着障害」と呼びます。
安全基地は愛着障害克服のカギ
子どもの頃に安全基地が作られないまま大人になった人、というのが愛着障害の正体です。
ということは、愛着障害を克服するためのカギは「安全基地」にあると言えるでしょう。
ここでは愛着障害を克服するために重要なポイントをご紹介します。
仮の安全基地で愛着は安定する
基本的に安全基地は、子どもの頃に養育者(主に母親)との関わりによって作られていくものですが、実は大人になってからも安全基地を作り直すことはできます。
ただし、安全基地は元々他人から受け継ぐことで身につくものであり、それは大人になってからも変わりません。
そのため、大人になってから安全基地を作り直すためには、身近に仮の安全基地となるような存在が必要不可欠。
自分に安心感を与えてくれるような存在と一緒にいることで、次第に自分の中にもその安心感が芽生えていくんです。
なお、仮の安全基地となる存在は実の親でなくとも、家族・友人・恋人・教師・カウンセラーなど、どんな人でも問題ありません。
ただし、自分を否定される不安を感じることなく何でも話せる相手であることが望ましいので、その見極めが重要なポイントになるでしょう。(※詳しい条件は後述します)
誰かの安全基地になろうと努力するのも効果的
大人になってから安全基地を作り直すためには、自分が誰かの安全基地となろうとすることも効果的です。
愛着の悩みを抱えた人にとって、自分は誰にも安心感を与えてもらえないという不安と同時に、自分自身も人に安心感を与えられないことも大きな悩みの一つです。
そのため、まずは自分が誰かにとっての安全基地になろうと努力することで、次第にその相手も自分に安心感を与えてくれる存在となり、結果的に自分自身に安全基地が作られることがあります。
ただし、十分に信用できない相手に安心感を与えようとするのは無理があるので、ここでもやはり相手の見極めは重要なポイントと言えるでしょう。
安全基地に必要な5つの条件
愛着障害を克服するには安全基地の作り直しが必要であり、そのためには仮の安全基地となるような存在が必要不可欠です。
仮の安全基地となる存在は実の両親でなくても問題ありませんが、かといって信用できない人では当然務まりません。
では、いったいどんな人であれば安全基地としてふさわしいのでしょう?
ここでは、安全基地に必要な5つの条件をご紹介します。
安全性
まず1つ目は「安全性が保障されている」ことです。
これが最も重要なのは言うまでもありませんが、一緒にいても傷つけられることがないのが安全基地に最優先される条件です。
応答性
2つ目は「こちらが求めた時にすぐ応えてくれる」ことです。
こちらが求める時にいつも応えてくれる人であれば、いざという時に相談できる、守ってもらえる、といった安心感に繋がります。
ただ、注意して欲しいのは指示やアドバイスをよくしてくる人。
一見、親切なようにも見えますが、もしこちらが求めていない時でも指示やアドバイスをされるのなら、それは否定されてるのと変わりありません。
また、そういった関わりを相手にすることは、相手から主体性や責任を奪うことに。
こちらが求める時には応えてくれるが、それ以外の時は余計な口出しをしないことが、安全基地に求められる重要な条件の1つです。
共感性
3つ目の条件は「共感してくれる」ことです。
共感性が乏しい人であれば、相手の気持ちを察するどころか逆に傷つけるようなことをしてしまったり、的外れな対応をしてしまう可能性もあります。
愛着の問題を抱えた人が何を感じ、何を求めているのかを察して、それに共感できることが安全基地には非常に重要です。
安定性
4つ目の条件は「安定(一貫)した対応をしてくれる」ことです。
たとえどれだけ安心感を与えてくれる存在でも、気分によって優しくなったり冷たくなるようでは、こちらは不安になります。
その場の状況や気分に影響されることなく、できるだけ一貫した対応をしてくれる人が安全基地にはふさわしいでしょう。
誠実さ
最後の条件は「人として心から大切に思ってくれる」ことです。
言いたいことを何でも気にせずズバッと言ってくる人は論外ですが、かといって何でもかんでも言いなりになるのも誠実な対応とは言えません。
相手を一人の人間として心から大切に思い、必要な時に必要なことを言ってくれる誠実さが、安全基地には大切な要素です。
安全基地は人の人生を根底から支えている
安定した愛着の中で安全基地が作られた子どもは、その関わりの中から自然と行動や情緒をコントロール術も身につけていきます。
また、「自分は愛されている感覚」があるからこそ安心して他人を愛せるようになり、「自分は守られてる感覚」があるからこそ安心して物事に挑戦できるようになります。
つまり「安全基地」とは、対人関係だけでなく、その人の人生を根底から支える非常に重要なものなんです。
そして安全基地は、安心して何でも話せるような存在と一緒にいることで、大人になってから作り直すことも可能。
ただし、どうしてもそんな人がそばにいないという方は、カウンセラーなどの専門家の力を借りるのも一つの手でしょう。
ちなみに僕の提供している『ライフチェンジセラピー』でも、愛着を不安定にさせる根本を癒やしてから安全基地を育てていくアプローチを行っています。
今なら特別価格で体験セッションを受付中ですので、気になる方はぜひお越しくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。