目次
- 1 アダルトチルドレンの意味や定義
- 1-1 元々はアメリカで生まれた言葉
- 1-2 日本とアメリカでは定義が異なる
- 1-3 アダルトチルドレンをわかりやすく言うと
- 2 アダルトチルドレンの特徴とその種類
- 2-1-1 アダルトチルドレンの3タイプ
- 2-2 責任を負う子ども(責任者)
- 2-3 なだめる子ども(調整役)
- 2-4 順応する子ども(順応者)
- 3 アダルトチルドレンの根本原因と直し方
- 3-1 アダルトチルドレンは病院では扱えない
- 3-2 根本原因は幼少期に作られたビリーフ
- 3-3 ビリーフを書き換えれば生きづらさも解消する
- 4 まずは生きづらさの原因を知ること
こんにちは。
心理セラピストの
大野貴之です。
あなたは「アダルトチルドレン」という言葉を聞いたことはありますか?
言葉自体は聞いたことあるけどよく知らない方、逆にまさに今アダルトチルドレンによる生きづらさに悩んでいる方など、色々な方がいらっしゃると思います。
そこで本記事では、アダルトチルドレンの定義・特徴・原因・直し方などをまとめてご紹介します。
アダルトチルドレンについて知りたい方は、ぜひ気になる所だけでもお読みください。
アダルトチルドレンの意味や定義
まずはそもそもアダルトチルドレンとは何か?
その言葉の意味や定義から解説していきまね。
元々はアメリカで生まれた言葉
アダルトチルドレンとは、元々はアメリカで生まれた言葉で、正式名称は
「アダルトチルドレン・オブ・アルコホリックス(Adult Children of Alcoholics)」
といいます。
日本語に直訳すると「アルコール依存症者の子どもだった大人」、わかりやすくいうと「アルコール依存症の親の元で育ち、大人になった人」といった意味です。
強調すべきポイントはチルドレンではなくアダルトで、あくまで今は大人である人を指す言葉となります。
日本とアメリカでは定義が異なる
その後、日本でも「アダルトチルドレン」という言葉が広まりましたが、
「親がアルコール依存症ではないが同じ生きづらさを抱えている」
と申告する人が出てきたことで、日本ではその意味合いも変わっていきました。
その結果、日本における「アダルトチルドレン」とは、「アルコール依存症の子ども」だけでなく「機能不全家族の元で育った子ども」といった意味合いで使われています。
アダルトチルドレンをわかりやすく言うと
しかし「機能不全家族」なんて聞くと相当悪い家庭環境を思い浮かべる人が多いと思いますが、実際は普通の家庭でもアダルトチルドレンになる可能性はあります。
問題は「子どもがどう受け取るか?」であって、親が正しい育児をしているかどうかではないんです。
ただ、そうなってくると「アダルトチルドレン」の言葉の定義がよくわからなくなってきますよね。
実際に日本では色んな意味合いでこの言葉が使われているような印象を受けます。
そこで僕はもっとわかりやすくシンプルに「アダルトチルドレン」をこう定義しています。
『幼少期の体験(主に親との関わり)が現在の生きづらさに影響を与えている人』
まずはこういった人がアダルトチルドレンなんだと理解していただければ十分かと思います。
アダルトチルドレンの特徴とその種類
ここからはアダルトチルドレンの心理的特徴とその種類について解説いたします。
一言でアダルトチルドレンといっても、抱えている悩みや生きづらさは人によって様々。
ここでは、アダルトチルドレンが日本で広まったきっかけとも言える本『 私は親のようにはならない[改訂版](クラウディア・ブラック著) 』で定義されている以下の3タイプを紹介します。
アダルトチルドレンの3タイプ
- 責任を負う子ども(責任者)
- なだめる子ども(調整役)
- 順応する子ども(順応者)
いずれのタイプにも共通しているのは、「幼少期の家庭での役割を大人になっても演じ続けている」といった点。
それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。
責任を負う子ども(責任者)
責任者タイプの強み
- 責任感が強い
- リーダーシップがある
- 物事において手を抜かない
責任者タイプの弱み
- 人に頼れない(任せられない)
- 自分にも他人にも完璧を求める
- 失敗を極端に恐れる
- リラックスできない(手を抜けない)
責任者タイプとは、両親のどちらか、もしくは両方があまり家にいなかったなどの理由で、本来大人が負うべき責任を代わりに背負ってしまった子ども(だった人)です。
特に長男長女にこのタイプは多く、自分のことはもちろん、弟や妹のことまで全て自分が面倒を見なければいけないといった責任感を持っており、大人になってからもその役割を引き受け続けます。
社会においてこの責任感は強みにもなりますが、人に頼れない、自分にも他人にも厳しい、融通が利かない、などの生きづらさにもつながるでしょう。
なだめる子ども(調整役)
調整役タイプの強み
- 思いやりがある
- 他人への共感力が強い
- 聴き上手
調整役タイプの弱み
- 人のために自分を犠牲にしてしまう
- 自分のことがわからない
- 人から雑に扱われても平気
調整役タイプとは、両親のケンカが絶えなかったなどの理由で、家庭内の緊張を解消する役割を背負ってしまった子ども(だった人)です。
家族をなだめる方法は、
- 病気をして関心を引く(スケープゴート)
- 冗談を言って場を和ます(ピエロ)
- 傷ついた親の面倒を見る(ケアテイカー)
など様々ですが、共通して言えるのは自分よりも周りのために生きているといった点です。
そしてこれらの役割を大人になってからも引き受け続けるため、自分の人生に専念できないといった生きづらさを感じる人が多いでしょう。
順応する子ども(順応者)
順応者タイプの強み
- 柔軟性がある
- どんな指示にも従える
- 悪い状況にも焦らず対応できる
順応者タイプの弱み
- 自分で決めるのが恐い
- 疑問を持たずに指示に従ってしまう
- 人と親密になるのが苦手
順応者タイプとは、自分の存在感を消したり意見を言わないことで、どんなに厳しい環境にもうまく順応する生き方を身につけた子ども(だった人)です。
どんな環境でも生きていける柔軟性は強みとも言えますが、その反面、自分で何かを決めれなかったり、人との衝突を避けるあまり孤立しやすいなどの生きづらさも感じるでしょう。
なお、このタイプの人は世の中に無関心なわけではなく、衝突を避けようとする根底には世の中に対する強い恐怖や不安を抱えています。
アダルトチルドレンの根本原因と直し方
ここまでアダルトチルドレンとは、
『幼少期の体験(主に親との関わり)が現在の生きづらさに影響を与えている人』
であり、責任者・調整役・順応者の3タイプがあるとお伝えしました。
では、どうすればアダルトチルドレンを克服できるのか?
ここからはアダルトチルドレンの根本原因と直し方について解説します。
アダルトチルドレンは病院では扱えない
まずはじめにお伝えしておきたいことは、アダルトチルドレンとはアルコール依存の自助グループ内で生まれた言葉であり、医学用語ではありません。
つまり、病院に行っても「アダルトチルドレン」といった診断はされず、薬で治療することもできないんです。
ただし、うつ病・不安障害・パーソナリティ障害など、精神医学的な症状に該当する場合は治療してもらえるので病院に行っても意味がないわけではありません。
根本原因は幼少期に作られたビリーフ
でも中には「病院では何の診断もつかなかったけど、たしかに苦しいし生きづらさを感じる…」という人もいるでしょう。
というより、アダルトチルドレンに悩む人の多くはこのパターンじゃないかと思います。
ではそういう人はどうしたらいいんでしょうか?
この生きづらさはどこからきていて、どうすればなくなるんでしょうか?
その答えは『ビリーフ(信念)』にあります。
「ビリーフ(信念)」とは、簡単に言うと「思い込み・固定観念」のことで、主に幼少期の親との関わりによって刷り込まれていきます。
例えば、
- 男は強くなければいけない
- 女は優しくなければいけない
など、「一般的な事実ではないが無意識に信じているもの(=思い込み・固定観念)」をビリーフと呼びます。
そのためビリーフ自体は誰にでもあるもので、良いものでも悪いものでもありません。
しかしアダルトチルドレンに悩む人の場合、
- 自分は重要な存在であってはいけない
- 自分を犠牲にしてでも人を助けるべきだ
など、非常に生きづらいビリーフが刷り込まれている可能性が高いです。
そしてこれこそが、アダルトチルドレンの悩みを生み出している根本原因なんです。
※ビリーフはこちらの記事でも詳しく解説しています↓
ビリーフを書き換えれば生きづらさも解消する
ビリーフとは、たとえ自分にとって苦しいものであっても、無意識にそれが正しいと信じ込んでしまうものです。
そのため、「人に頼ってはいけない」のようなビリーフがある人は、どれだけ苦しい状況でも人に頼ることができません。(人に頼るのはいけないことと無意識に信じているため)
しかし、それは言い換えると根本原因になっている「ビリーフ」さえなくなれば、苦しい時は人に頼れるようになるということ。
つまり、根本原因となっているビリーフを特定して書き換えることができれば、アダルトチルドレンの生きづらさは解消できるんです。
まずは生きづらさの原因を知ること
アダルトチルドレンに悩んでいるけど、どうしたら克服できるのかわからず苦しんでいる人も多いと思います。
そんな方は、まずは自分の生きづらさはどんな場面でどんな反応(行動)をしてしまうことなのかを具体的に考えてみてください。
そして、その反応は幼少期のどんな体験が原因で、どんなビリーフ(信念・思い込み・固定観念)を作ってしまったからなのか?
そこがはっきりするだけで、生きづらさも少しは軽減されるでしょう。
しかし、ビリーフとは脳幹に刻まれるとも言われており(諸説あります)、意志や思考の力で書き換えるのは非常に困難。
ですので、もしビリーフを書き換えてアダルトチルドレンの生きづらさを解消したい方は、勇気を出して専門家の力を借りてみてください。
『ライフチェンジセラピー』では、ビリーフを書き換えるカウンセリングと理想の人生を手に入れるコーチングを両方行います。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。