目次
- 1 子どもが親に対して持つ4つの感情欲求
- 1-1 ①愛されたい。理解されたい。
- 1-2 ②色々なことがうまくできるようになりたい。
- 1-3 ③自分の感情や思いを自由に表現したい。
- 1-4 ④自由に動きたい。生き生きと楽しみたい。
- 2 感情欲求が満たされない子どもは「心の傷」を負う
- 2-1 生きづらさの正体は不幸な「ビリーフ」
- 2-2 「ビリーフ」が作られるまでの流れ
- 2-2-1 まず子どもは「心の傷」を負ってしまう
- 2-2-2 次にその苦しみから逃れようとする
- 2-2-3 そして間違った答え(ビリーフ)を学習してしまう
- 2-3 「ビリーフ」は人生の設計図になる
- 3 感情欲求は大人になってからも満たすことができる
こんにちは。
心理セラピストの大野貴之(おおのたかゆき)です。
子どもの教育において、一昔前までは「叱る」ことが大事だとされていました。
しかし現代の教育においては、叱りすぎることはかえって子どもの健全な成長を妨げてしまうことが明らかになっています。
その理由の1つとして、子どもには健全な大人へと育つために必要な4つの感情欲求というものがあり、厳しく叱りすぎるとこれが適切に満たされず「心の傷」を負った大人になってしまうんです。
今日はそんな子どもが親に対して持つ4つの感情欲求について解説していこうと思います。
現在生きづらさを抱えている方や、子どもの教育について興味がある方はぜひ最後まで目を通してください。
子どもが親に対して持つ4つの感情欲求
子どもには、というより全ての人間には、ごく自然で正当な4つの感情欲求を持っています。
そして、子ども時代にこれらの感情欲求が適切に満たされると、人はのびのびと育ち、健全な大人になることができると言われています。
しかし、逆にこれらの感情欲求が満たされないと、それが「心の傷」として残ってしまい、生涯にわたって生きづらさを抱える大人になってしまうんです。
その4つの感情欲求とは以下の通りです。
- 愛されたい。理解されたい。
- 色々なことがうまくできるようになりたい。
- 自分の感情や思いを自由に表現したい。
- 自由に動きたい。生き生きと楽しみたい。
まずは、それぞれの感情欲求を詳しく見ていきましょう。
①愛されたい。理解されたい。
1つ目の感情欲求は「愛されたい。理解されたい。」です。
まぁこれは当然の欲求ですよね。子どもは例外なく親に愛されたいという欲求を持っています。
しかし、子どもの頃に
- 叱られてばかりで褒めてもらえない
- 話をちゃんと聞いてもらえない
- 「お前なんかいらない」と言われる
などの経験をすると、この感情欲求が満たされず「心の傷」を負ってしまいます。
そしてこの感情欲求が満たされない子どもは、
- 自分は愛されないと思う
- 自分は価値のない人間だと思う
- 人から見捨てられる不安を感じる
- 人を信用できなくなる
など、「人との関わり(つながり)が断たれる」という形で生きづらさを感じるようになります。
②色々なことがうまくできるようになりたい。
2つ目の欲求は「色々なことがうまくできるようになりたい。」です。
子どもは生まれながらに色んなことができるようになりたい、有能になりたいという欲求を持っています。
しかし、子どもの頃に
- 失敗するとひどく叱られた
- 「お前は何をやらせてもダメだ」と言われる
- 「また失敗したのか?」と何度も言われる
などの経験をすると、この感情欲求が満たされず「心の傷」を負ってしまいます。
そしてこの感情欲求が満たされない子どもは、
- 自分は無能だと思う
- 自分はいつも失敗すると思う
- 自分は独りではいきられないと思う
など、「できない自分にしかなれない」という形で生きづらさを感じるようになります。
③自分の感情や思いを自由に表現したい。
3つ目の欲求は「自分の感情や思いを自由に表現したい。」です。
子どもは自分の感情や思いを自由に表現したり、自分の意志を大切にしたいという欲求を持っています。
しかし、子どもの頃に
- 意見を全然聞いてもらえなかった
- とにかく言うことを聞けと言われた
- 自分より他人を優先しなさいと言われた
などの経験をすると、この感情欲求が満たされず「心の傷」を負ってしまいます。
そしてこの感情欲求が満たされない子どもは、
- いつも自分を犠牲にしてしまう
- 他人の言うことに服従的になる
- 周りの評価や承認を求めるようになる
など、「他者を優先し、自分を抑えてしまう」という形で生きづらさを感じるようになります。
④自由に動きたい。生き生きと楽しみたい。
4つ目の欲求は「自由に動きたい。生き生きと楽しみたい。」です。
子どもは自由にのびのびと動いたり、楽しく遊んだり、生き生きと楽しみたいという欲求を持っています。
しかし、子どもの頃に
- 遊びよりも勉強が大事と聞かされた
- はしゃぐと調子に乗るなと叱られた
- 大人らしい振るまいを強制された
などの経験をすると、この感情欲求が満たされず「心の傷」を負ってしまいます。
そしてこの感情欲求が満たされない子どもは、
- 何にでも厳しすぎる基準を持つ
- 自分や他人を罰するようになる
- 感情をあまり出さないようになる
など、「自分や他人を追い詰めてしまう」という形で生きづらさを感じるようになります。
感情欲求が満たされない子どもは「心の傷」を負う
感情欲求が満たされなかった子どもは、それが傷つき体験として「心の傷」が残ってしまいます。
でも、「心の傷」がどう生きづらさにつながるのでしょうか?
その答えは、子どもが「心の傷」を隠すために作ってしまう「ビリーフ」と呼ばれるものにあります。
生きづらさの正体は不幸な「ビリーフ」
ビリーフとは日本語にすると「信念」で、わかりやすくいうと「思いこみ」「固定観念」といったものです。
例えば、「男は強くあるべきだ」「人は簡単に信用してはいけない」など、その人が無意識に正しいと信じている考えのことをそう呼びます。
そして人は0歳~18歳にかけて、様々なビリーフを身につけていき、その人の性格や人生観などが形成されていきます。
しかし、子どもの頃に「心の傷」を負ってしまうと、それを隠すために生きづらさに繋がる不幸なビリーフを作ってしまうわけです。
「ビリーフ」が作られるまでの流れ
例として、第一欲求の「愛されたい。理解されたい。」が満たされなかったケースを見てみましょう。
まず子どもは「心の傷」を負ってしまう
子どもは生まれながらに「愛されたい」という感情欲求を持っています。
これは人なら誰でも理解できる当然の欲求ですよね。
しかし、親からいつも叱られていたり、「お前はダメだ」と何度も言われることによって、その欲求が満たされず、心に深い傷を負ってしまいます。
次にその苦しみから逃れようとする
親から愛してもらえないという体験は、子どもをとても苦しめます。
愛されない悲しさ、愛してくれない親への腹立たしさ、独りぼっちになるかもしれない怖さ、そういった辛い感情に徐々に耐えられなくなっていくでしょう。
そうすると、子どもはその苦しみから逃れるために、今起こっていることの理由を探し始めるんです。
そして間違った答え(ビリーフ)を学習してしまう
しかし、どれだけ考えても、子どもの力では本当の理由を見つけ出すことはできません。
もしかしたら将来のためにあえて厳しくしているのかもしれないし、訳あって本当に愛していないかもしれません。
でもそういった「大人の都合」は子どもには理解できないんです。
そうして、多くの場合、子どもは間違った答えを導き出し、それを学習してしまいます。
- 自分は価値のない人間なんだ
- 他人は自分を傷つける存在なんだ
- 人にたやすく近づいては危険なんだ
こうやって、生きづらさに繋がる不幸な「ビリーフ」を身につけてしまうわけです。
「ビリーフ」は人生の設計図になる
そして、何より恐ろしいのは、この年齢で身につけたビリーフは、その子どもにとっての「人生の設計図」になってしまうという点です。
「自分には価値がない」と学習した子どもはその通りになる人生を送りますし、「人に近づいてはいけない」と学習した子どもは人と親密になれない人生を送ります。
日本には「三つ子の魂百まで」といったことわざがありますが、心理学の世界でもそれは証明されているというわけです。(心理学用語では「人生脚本」と呼ばれています)
感情欲求は大人になってからも満たすことができる
子どもが親に対して持つ4つの感情欲求とは、人間なら誰もが自然に持っている感情欲求です。
それが適切に満たされなかった子どもは、大人になってからも生きづらさを抱えた人生を送ってしまう可能性が高くなるでしょう。
しかし、これは一生が決まってしまうという意味ではありません。
大人になってからでも感情欲求を満たしていくことで、「心の傷」は解消できるんです。
僕の提供する『ライフチェンジセラピー』では、そんな「心の傷」を解消し、更にその先にある理想の人生を生きる「自信力」も育てていきます。
子どもの頃に満たされなかった「心の傷」を解消して、生きづらさを根本から解決したい方は、ぜひ体験セッションにお越しくださいね。
どんなあなたでも絶対に否定せず、安心安全のサポートをすることをお約束します(^^)
最後までお読みいただきありがとうございました。
心理セラピスト 大野貴之