こんにちは。
心理セラピストの
大野貴之(おおのたかゆき)です。
いきなりですが、もし目の前に新しい問題がでてきた場合、あなたはまず何をしますか?
恐らく、まずはその問題を解決するための「方法」を探すんではないかと思います。
つまり、「新しい何かを得る」ことで問題を解決しようとする、いわゆる“足し算”の考え方というわけですね。
しかし、実はこのやり方、どんな場面でも必ずしも最適な考え方というわけではありません。
というのも、これが「心の問題」だった場合、実は”足し算”よりも”引き算”の方が効果的な場合が多いんです。
今回は「心の問題を解決するにはなぜ足し算よりも引き算が大切なのか」を解説しようと思います。
もしあなたがいつまでも解決しない心の悩みを抱えているなら、ぜひ最後まで読んでくださいね。
過度な足し算は自分を見失う
冒頭でもお伝えしたように、問題を解決する際の足し算(何かを得る)の考え方は決して間違っていません。
今まで知らなかった新しいスキルを学ぶことで、目の前の問題を解決できることは往々にしてあると思います。
ただし、これが「心の問題」であった場合、必要なのは新しいスキルではない可能性が高いんです。
というのも、そもそも心の問題とは、能力が足りないから起きてしまう問題ではありません。
何らかの理由で、人間本来の自然な状態でなくなってしまったために起こる問題なんです。
にも関わらず、新しいスキルに答えを求めすぎてしまうと、どんどん本来の自分から離れて最後は自分を見失います。
いわゆる「スキルジプシー(難民)」と呼ばれる状態になってしまうんです。
何かを”得る”よりも障害を”取り除く”
じゃあ「心の問題」はどうやったら解決できるのか?
ここで大切なのが、冒頭でお伝えした「引き算」の考え方です。
前述の通り、心の問題とは能力不足で起きるのではなく、本来の自然な状態でなくなることで起こります。
つまり、何かが”足りない”のではなく、何かが良くなるのを”妨げている”という考え方が正しいんです。
だから本当に大切なのは何かを”得る”ことではなく、解決(回復)を妨げている何かを”取り除く”こと。
これが心の問題を解決するには「足し算」ではなく「引き算」が大切な理由です。
答えは自分の外側ではなく内側にある
「引き算」の考え方が大切なのはわかったけど…じゃあ具体的にどうすればいいのか?
そのカギとなるのは「本来の自然な状態」、つまり「本当の自分」を知ることです。
本当のあなたは何を望んでいて、何がその望みを妨げているのか?
まずはこれを考えてみてください。
そしてこの時大切なのは、あくまで「自分軸」で考えること。
周りの人や環境が妨げになっているのではなく、あなた自身の中にある何かが妨げていると考えてみてください。
例えば、「周りが自分を理解してくれない」のが問題ではなく、「周りに理解してもらう努力をできない」のが問題といった感じです。
- じゃあどうして周りに理解してもらう努力をできない(したくない)のか?
- どんな考えや思い込みがそれを妨げているのか?
- それをするとどんな不都合(何かを失う、嫌な目にあうなど)があるのか?
そうやって、どんどん自分の中を探っていくことで問題解決の糸口が見つかるでしょう。
つまり、答えは自分の外側ではなく内側にこそあるんです。
まずは自分の心の声に耳を傾けてみよう
カウンセリングやコーチングなどの対人支援をする上で非常に大切な核となる考え方があります。
それは「人は誰でも問題解決に必要なリソース(資質、資源)を持っている」というもの。
どんなに大きな問題であっても、最終的にその問題の解決策を生み出すのは問題を抱えているその人自身なんです。
だから「新しい何かを得る」よりは「今まで知らずにいた自分の能力に気づく」ことにこそ問題解決の糸口はある。
それはもちろんあなたの場合も同じです。
たとえあなたが今どれだけ苦しいのだとしても、あなたにはその問題を解決する力がちゃんと備わっています。
だから、大切なのはそれを信じて自分の声に耳を傾けること。
色んな情報に振り回されるのではなく、まずは自分の心の声にしっかりと耳を傾けてあげてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
心理セラピスト 大野貴之