「感情を感じる」と「わがまま」の違いとは

こんにちは。
心理セラピストの
大野貴之(おおのたかゆき)です。


僕は心理セラピストとして、普段から「感情を感じることが大事」と言い続けています。


これは決してポジティブな感情だけでなく、「怒り」「悲しみ」などのネガティブな感情であっても同じです。


ですが、ネガティブな感情を感じろと言われるとこんな疑問が出てくる方も多いんじゃないかと思います。


それは、


「すぐ怒ったり泣いたりすればいいの?」
「それってただの”わがまま”じゃないの?」


というものです。あなたはどうでしょうか?


実は僕自身も昔はそんな風に思っていて、ネガティブな感情をどう感じればいいかわかりませんでした。


そこで今回は「感情を感じる」と「わがまま」はどう違うのか?といった話をしようと思います。


もしあなたが、ネガティブな感情に対して苦手意識を持っているなら、ぜひ最後までお読みください。

「感情」と「行動」を切り分けて考える

僕たち人間にとって、感情はポジティブもネガティブも関係なく非常に大切なものです。


感情は人間の身体の仕組みとして自然に生じるものなので、これを無理に抑圧することは当然身体の不調につながります。


「心の問題」の多くは、こういった理由で起こっているんです。


でもここで注意してほしいのは、僕はどんな状況であっても怒りたい時は怒って悲しい時は泣け、と言いたいわけではありません。


もちろん、それが許される状況であればそれが一番望ましいです。


ですが、やはり社会生活を送る上で腹が立っても怒れない場面、悲しくても泣けない場面はありますよね。


じゃあ、「感情を感じる」ってどうすればいいのか?


そのためにまず意識してほしいのが、「“感情”と”行動”を切り分ける」ということです。

「感情を感じる」とは感情を”承認”すること

「感情」と「行動」を切り分けて考えれば、少しはイメージしやすくなったんではないでしょうか?


要するに、どんな感情であっても、そう思ってしまう(感じる)だけなら何も問題はないということです。


「あんな言い方されたら、腹が立っても当然だよね」
「こんな失敗をしてしまったら、泣きたくなっても仕方ないよね」


そんな風に、自然に湧き上がる感情は一切否定せずに、全て受け止めてあげてください。


そして、その上でどう「行動」するかは状況に応じて考えればいいんです。


つまり、「感情を感じる」とは、自然に湧き上がる感情を「承認」すること。


実はこれができているかどうかが、心が安定している人と不安定な人の一番の違いなんです。

「行動」は状況に応じて制御する

とはいえ、どんな状況でも感情のままに流されていては、日常生活がトラブルだらけになってしまいます。


ですので、「感情」はしっかりと承認したうえで「行動」は状況に応じて制御することが必要なんです。


「腹が立ってしまう」のは何も問題ありませんが、怒りに任せて「人に危害を加える」のは立派な犯罪ですからね。


しかし、実は感情さえちゃんと承認できていれば、行動を制御するのはあまり難しくありません。


というのも、そもそも行動を制御できなくなる人は、普段から感情を承認できていない人だからです。


どういうことかというと、
 

感情を我慢する

不満が溜まる

すぐに爆発する

感情を我慢しなければと思う
(もしくは我慢しろと言われる)

(繰り返し)


といった悪循環にハマってしまってるんです。


だからまずは感情を承認すること。


そうすれば、
 

感情を承認する

不満が溜まりにくくなる

行動を制御できる

感情を承認しても良いと思える

(繰り返し)


といった好循環に入ることができるでしょう。


そのためにも、やはり「感情」と「行動」を切り分けて考えることが重要になるんです。

自分自身を大切にしながら正しく生きよう

感情を感じることがわがままだと感じる人は、「感情」と「行動」を同一に考えてしまっている可能性が高いです。


しかし、その考えだと、正しく生きるためにはネガティブな感情を抱くことすら許されないといった考えになりかねません。


そうすると、感情を抑え込むことばかりにエネルギーを使ってしまい、身体が疲れやすくなったり、日常に生きづらさを感じてしまうでしょう。


そんな生きづらさを解消するためにも、まずは「感情」と「行動」を切り分けて考えること


そして、自分の中に生まれる感情はどんなものであってもしっかりと承認してあげてください。


その上で、行動は状況に応じて制御していけば、自分を承認しつつわがままにならずに過ごすことができるはずです。


正しく生きることはもちろん大切ですが、それと同じくらい自分自身に起こる感情も大切にしてあげてくださいね。


最後までお読みいただきありがとうございました。


心理セラピスト 大野貴之