生きづらさを解消するには「正しさ」は手放すべき!?

こんにちは。
心理セラピストの
大野貴之(おおのたかゆき)です。


ここ数年、コロナ禍の影響もあるんでしょうが、SNSでの炎上や言い争いが本当に増えたように感じます。


間違ったことをした人を過剰に攻撃したり、各々の主義主張をぶつけ合ってどちらが正しいかを競ったり…


僕はこういった論争を見ると、最近の人たちは「正しさ」に取り憑かれてるな…と感じます。


確かに僕たちは、小さい頃から「正しい」人間になるような教育を散々受けてきました。


もちろんこういった教育があるからこそ、礼儀正しく安全で美しい日本が成り立っているとは思います。


ただ、この「正しさ」に過剰にこだわってしまうと、それが逆に生きづらさを生んでしまうことも多いんです。


そこで今回は、『生きづらさを解消するには「正しさ」は手放した方がいい』といった話をしようと思います。


あなたが生きづらさを感じていたり、間違っている人が許せなかったりするのなら、ぜひ最後までお読みくださいね。

絶対的な「正しさ」は世の中に存在しない

まず、この話の大前提であり、最も大切なことをお伝えします。


それは、この世の中に絶対的な「正しさ」は存在しないということ。


もちろん生きていくためには国の法律や会社のルールなど、従わなければならないものもあります。


ですが、国や会社が変わればその法律やルールも変わるように、そういったものでさえ絶対的な正しさとは言えません。


つまり、あなたが今信じている「正しさ」も人によっては「間違い」の可能性があり、その逆もまた起こり得るんです。


まずはこのことをしっかりと頭に押さえておいてくださいね。

生きづらさは「正しさ」が作っている

さて、ここからが本題です。


なぜ幸せになりたいなら「正しさ」を手放す必要があるのか?


それは、実はあなたが感じている生きづらさは、あなたの中にある「正しさ」が作り出しているからなんです。


例えば、「言いたい事が言えない」という生きづらさを抱えている人がいたとします。


この人は確かに言いたい事が言えないことに悩んでいます。


「言いたい事を自由に言えるようになりたい」といつも願っているかもしれません。


ですが、それと同時にこんな風にも思っているはずです。


「相手を気遣わずに言いたい事をずけずけ言う人は許せない(もしくは苦手だ)」


つまり、頭では言いたい事を言えないと悩んでいても、心の奥底では「言いたい事を言わない方が”正しい”(言いたい事を言うのは間違いだ)」と思っているわけです。


他にも「人前で緊張してうまく話せない」という生きづらさを抱えている人のケースも見てみましょう。


このケースの場合、大きく分けると2つのパターンが考えられます。


1つ目のパターンは、先ほどと同じように「人前でうまく話せないのが”正しい”」と思っているパターンです。


そんなバカな!と思うかもしれませんが、実際に心の奥底では実はそう思ってる人は意外と少なくありません。


例えば、「うまく話せる(成功する)と、人から妬まれる、嫌われる」といった思い込み(恐怖)があるなど。


こういった思い込みや恐怖を抱えている場合、それを避けるためにも人前ではうまく話せない方が正しい(安全だ)と(無意識に)思うことはよくあるんです。


2つ目のパターンは、逆に「人前でうまく話すことが正しい」と強く思いすぎているパターンです。
 

  • 絶対にうまく話さないといけない
  • うまく話せない自分なんて価値がない


それくらいの強い思いを抱えていれば、当然それがプレッシャーとなり緊張してしまいますよね。


自分に厳しい人や自己否定が強い人はこういったパターンにハマっていることも多いです。


つまり、正しさにこだわるあまりに過剰なプレッシャーを感じてしまい、結果的にうまく話せなくなっているわけです。


そして、どちらのパターンも生きづらさを作っているのは、心の奥底にある「正しさ」だというわけです。

「正しさ」はどうやって作られるのか?

このように、生きづらさの多くは自分の中にある「正しさ」が作り出しています。


ただ、冒頭でもお伝えしたように「正しさ」は人によって異なります。


先ほどの例を使うと「言いたい事を言うのが正しい」と思う人と「言いたい事を言わないのが正しい」と思う人がいるわけです。


でも、どうして人によって「正しさ」は変わるんでしょう?
いったいこの「正しさ」はどうやって作られるのでしょうか?


それはズバリ、幼少期の体験によって作られているんです。


これも大きく分けると2つのパターンがあります。


1つは「親の”正解”を学習した」パターン。


これはシンプルで分かりやすいと思います。


つまり、親自身が「言いたい事は言ってはいけない(言わないのが正しい)」と思っており、それを教えられたということです。


ただ、これは言葉で直接教えられる場合と、直接言われてはいないが親の態度や反応を見て学んだ(言いたい事を言うと叱られた等)場合とがあります。


そしてもう一つは、「体験によって自ら学習した」パターンです。


これは、何らかの体験をしたことによって自ら「○○するのが正しい」と学習したということです。


例えば、子どもが学校で言いたい事を自由に言ったことでいじめにあってしまったとします。


するとその子は、その辛さを二度と味わいたくないために「言いたい事は言ってはいけない(言わないのが正しい)」と学習するでしょう。


このように、人の心の奥にある「正しさ」のほとんどは、幼少期の体験によって作られるんです。


しかし、子どもにとっては、その「正しさ」が本当に生きていく上で役に立つものかどうかを判断することはできません。


そのため、子どもの頃に信じた「正しさ」が、結果的に大人になった自分を苦しめてしまうといったことが起こってしまうんです。

自分の中の「正しさ」を見直そう

僕たち人間は、どんな人でも自分が「正しい」と思うように生きたいと感じる生き物です。


それは凶悪な犯罪を犯してしまうような人でも同じで、彼らにとってはそれが「正しい」と信じているだけなんです。


そして、あなたが今抱えている生きづらさも、同じようにあなたの中にある「正しさ」が作っています。


頭ではどれだけ生きづらいと感じていたとしても、心の奥底ではそうすることが「正しい」と思っているわけです。


ただ、僕はだからあなたが悪いとか、あなたが間違っている等と言いたいわけではありません。


たとえその「正しさ」が生きづらさを作っていたとしても、それがあったからこそ、うまく生きてこられた側面もあるはずです。


ただ、どうしても解決したい生きづらさがあるのなら、一度自分の中にある「正しさ」を見直してみてほしい。


そうすることで、今までとは違う新しい世界が見えてくる可能性も、僕はあると思っています。


最後までお読みいただきありがとうございました。


心理セラピスト 大野貴之