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こんにちは。
心理セラピストの
おおのたかゆきです。
うつ病をはじめとした心の病気に悩む方にとって、
「一度よくなってもまた再発するんじゃないか…」
といった不安を抱えている方は少なくないんじゃないかなと思います。
実際、現在うつ病治療の主流となっている「SSRI」といった抗うつ薬の効果をまとめたこんな数字もあります。
- 効果があり症状が回復する:35%
- 効果はあるが薬を止めると症状が再発する:35%
- 薬の効果がない:30%
つまり、半数以上の人がうつ病を完全には克服できていないということです。
でも、どうして心の病気はこう何度も繰り返されるのでしょうか?
そこで今回は、心の病気が繰り返される理由とその解決法について解説していきます。
いつまでも良くならない心の問題に悩まされている方はぜひ最後までお読みくださいね。
心の病気=”病前性格”×”ストレス”
なぜ心の病気が何度も繰り返されるのかをご説明する前に、心の病気はなぜ起こるのかを簡単に説明しますね。
心の病気とは、“「病前性格」×「ストレス」”の組み合わせによって引き起こされます。
病前性格とは、簡単に言うと『その病気になりやすい性格』のことです。
実はうつ病、不安障害、強迫性障害、対人恐怖症など、あらゆる心の病気には「その病気になりやすい性格(=病前性格)」が決まっています。
そして、その病前性格を持つ人が強いストレスにさらされることで、心の病気が引き起こされるんです。
つまり、たとえ同じレベルの強いストレスを経験したとしても、その人の性格次第で心の病気になる人とならない人がいるというわけです。
では、どうすれば心の病気から回復することができるのか?
ここまでの内容から既にお気づきかもしれませんが、心の病気を改善するには「病前性格」と「ストレス」の両方を変える必要があります。
しかし、一般的なカウンセリングや薬物療法では、「ストレス」を取り除くことを重視することが多いです。
もちろん、ストレスを取り除くことも重要なので、それらが間違ってるというわけではありません。
しかし、もう一つの原因となる「病前性格」を変えなければ、本当の意味で回復したとは言えないんです。
たとえ一時的に症状が治まっても、またストレスが増えてしまうようなことがあれば、心の病気が再発してしまうでしょう。
「でも性格が原因なんて、実質どうしようもないということじゃ…」
もしかしたらあなたはそんな風に思ったかもしれません。
ですが安心してください、実は性格って変えられるんです。
実は”性格”は変えられる
「性格は生まれつきだから変えられない」
そんな風に思っている人はとても多いと思います。
ですが、厳密に言うと、人の性格には変えられる部分と変えられない部分があるんです。
というのも、人の性格は大きく分けると「気質」と「信念」の2つで構成されています。
まず、「気質」とは生まれながらに持っている特徴のことです。
具体的には以下の9種類に分類できると言われています。
- 活動水準
身体運動の活発さの度合い - 近接/回避
新しい刺激に積極的か消極的か - 周期性
生理機能が規則的か不規則的か - 順応性
環境に順応しやすいかどうか - 反応閾値
反応が表れる度合い、敏感さ - 反応の強度
笑う泣くなどの反応の強さ - 気分の質
快/不快をどれだけ感じやすいか - 行動の可変性
気が散りやすいか集中しやすいか - 注意の幅と持続性
一つに集中か複数に興味を持つか
また、その持続性
これらはDNA、つまり遺伝によって決まるものなので変えたくても変えることはできません。
そして性格を形成するもう一つの要素は「信念(ビリーフ)」です。
これは親との関わりや社会との関わりによって、生まれた後に身につけた考え方や価値観などのことです。
例えば、「私は消極的だからダメなんです」と思っている人がいるとします。
その場合、「消極的」なのは気質であり、変えることはできません。
しかし、「消極的な人はダメだ」というのは事実ではなく、その人が生まれた後に身につけた信念です。
だから、この考え方は変えることができるというわけです。
このように、人の性格には変えられる部分と変えられない部分がありますが、「病前性格」となるのは主に信念(変えられる部分)に該当します。
そのため、正しいやり方で取り組めば、心の病気を生み出す性格も変えることができるんです。
変えられるものを変える勇気を
いかがだったでしょうか。
要するに心の病気を完全に克服するには、自分の性格を変える必要があるということなんです。
「でも本当に性格なんて変えられるの…?」
「性格が変われば別人になるんじゃ…?」
など、いろんな不安はあると思います。
もちろん、性格はこれまでの人生の積み重ねでもあるので簡単には変えられません。
ですが、正しいやり方で専門家と一緒に取り組めば、どんな人でも変えることができるんです。
それに、性格を変えると言っても、病気を生み出すような一部分(偏った不自由な考え方など)を変えるだけで、別人になることもないのでご安心くださいね。
最後に、有名な「二ーバーの祈り」をご紹介して今回は終わります。
神よ、
変えられるものを変える勇気を
変えられないものを受け入れる冷静さを
それらを見分ける知恵を
与えたまえ
過去と他人は「変えられないもの」、あなた自身の性格は「変えられるもの」です。
もし、本気で心の病気を克服したいと思うのなら、どうか勇気を出して一歩を踏み出してみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
心理セラピスト おおのたかゆき