ある日突然子どもが学校に行けなくなる理由

こんにちは。
心理セラピストの
おおのたかゆきです。


子どもが不登校になってしまう場合、元々親子関係に問題があったり、子どもに問題行動が多かったんじゃないかと考える人は多いと思います。


ですが、実はそれまで親子関係も良好で、むしろ叱ったこともないほど優等生な子が、ある日突然、不登校になってしまうケースも少なくありません。


こういったケースの場合、子どもにはいったい何が起きているんでしょう?


今日はそういったテーマでお話していきたいと思います。


ただ、予め理解しておいてほしいのは、ここでお伝えする内容はあくまで一般論で、可能性の一つです。


実際に子どもが悩んでいる場合は、必ず本人にその理由を聞いてあげることを忘れないでくださいね。


それでは、見ていきましょう。

何の理由もなく突然心が苦しくなることはない

「ある日、突然子どもが学校に行けなくなった…」
「いつも”良い子”で学校の成績も優秀だったのにどうして…?」


こういったケースは、周りから見たら突然の出来事のように感じるでしょう。


ですが、やはり何の理由もなく突然心が苦しくなってしまうことはありません。


実際は、周りが気づかなかっただけでずっと子どもは苦しんでいたということなんです。


ただ、これは気づけなかった親に問題があるわけではありません。


周りが気づけないほど、子どもにとって無理をするのが当たり前になっているのが問題なんです。


こういった無理をするのが当たり前の状態を『過剰適応』と呼びます。


つまり、ずっと無理をし続けた結果、心と身体に限界が来てしまったというわけです。

「過剰適応」とはどういった状態なのか

「過剰適応」とは、その言葉の通り、周りの環境に対して過剰に適応しようとしてしまうことです。


例えば、
 

  • 常に周りの人の顔色をうかがっている
  • 周りの人が望むことを先回りしてやろうとする
  • どれだけ嫌な事でも「嫌だ」と言えない
  • 自分の意見よりも周りの意見を優先する


などの行動を取ります。


こういった行動ができる子は、周りから見たら「良い子」「優等生」に映るため何も問題などあるようには思いません。


しかし、やっている側には非常に強い精神的ストレスがかかり続けているんです。


ただし、「過剰適応」になった子どもはそういった「辛さ」は決して周りに見せません。


なぜなら、それを見せてしまうと周りを不快にさせる可能性があり、それは絶対にダメだと考えるのが「過剰適応」といった状態なんです。

子どもの「過剰適応」はなぜ起こるのか?

では、どうして子どもが「過剰適応」になってしまうのでしょう?


子どもが「人とどう接するか」は、家庭内で「親とどう接していたか」によって決まります。


つまり、家庭内での親との関わりを通して「相手の反応を注意深く観察して、それに合わせないといけない」と学習したということなんです。


どうしてそんな風に学習したのかは、子どもによって様々ですが、大きく分けると以下の2つのケースに分けられます。
 

  • 親に怒られたくないため
  • 親を助けたいため


1つ目の「親に怒られたくないため」というのは、イメージしやすいかと思います。


「言うとおりにしないと怒られる」「些細な間違いでも怒られる」などの環境にいると、子どもは怒られないように「過剰適応」な生き方を身につけるでしょう。


しかし、ここで注目してほしいのは2つ目の「親を助けたい」という理由です。


親が精神的に不安定だったり、いつも大変そう、辛そうにしていたりすると、子どもはそれを助けたい一心で親の一挙一動を注意深く観察するようになります。


この理由で子どもが「過剰適応」になった場合、親としては全くそんなことを覚えさせた自覚がないわけです。


そのため、”ある日突然”子どもに限界が来たなんて感覚にもなりやすいでしょう。


これが子どもが「過剰適応」になる主な理由です。

まずは親自身が心に余裕をもって過ごすこと

子どもが「過剰適応」になって心に限界が来てしまった場合、変わる必要があるのは子どもではなく親です。


どんな理由で子どもが「過剰適応」になったにせよ、共通して言えるのは「親自身が心に余裕を持てていない」からです。


だからまずは親自身が自分の生き方を見直し、心に余裕を持つようにしてみてください。


それができるようになれば、自然と子どもの生き方も緩やかなものに変化してきますよ。


親の幸せが子どもの幸せだということを忘れないでくださいね。


最後までお読みいただきありがとうございました。


心理セラピスト おおのたかゆき