おはようございます。
心理セラピストの
おおのたかゆきです。
先日クライアント様からこういった質問をいただきました。
よく自己肯定感が低いのは子どもの頃に十分な愛情をもらえなかったからだと聞きます。
でも私は愛されて育ったのに自己肯定感がとても低いんです。
これはどうしてなんでしょうか?
実はこれまでにも似たような質問を何度かいただきました。
そこで今日は
『愛されて育ったのに自己肯定感が低い3つの可能性』
をご紹介しますね。
愛されて育ったはずなのに自己肯定感の低さに悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでみてください!
愛されて育ったのに自己肯定感が低いのはなぜ?
まず、そもそも自己肯定感の高さが子どもの頃の体験によって決まるのかについてですが、これは間違いありません。
僕たちは生まれたばかりの赤ちゃんの時は自分に対して肯定も否定もありません。
そもそも「自己」というのも曖昧で、それを周りの人間との関わりを通して「自分とは何か?」を学んでいきます。
そしてその時に『自分という存在は無条件に価値のある存在なんだ』と学ぶことができた人が、いわゆる「自己肯定感が高い人」というわけですね。
でもじゃあどうしてちゃんと愛されて育ったのに自己肯定感が低い人がいるのか?
正確な理由は人によって千差万別だとは思いますが、僕がこれまでのカウンセリング経験から考えられる可能性は以下の3つです。
- 愛されていたが”条件付きの愛”だった
- 客観的な視点から愛されてると思い込んだ
- あまりの絶望から愛されてると無理矢理思い込んだ
それぞれ詳しく解説していきますね。
ケース①:愛されていたが”条件付きの愛”だった
まず1つ目は「愛されていたが、その愛情は条件付きの愛だった」というケースです。
恐らくこのケースが最も多いんじゃないかと思っています。
冒頭でも説明しましたが自己肯定感とは「“無条件に”価値のある存在だ」と思える感覚のことです。
しかし、子どもの頃に受けた愛情が
- 成績が良かったら愛してもらえるが、そうでないとひどく叱られる
- 言うことを聞けば愛してもらえるが、そうでないとひどく叱られる
- 人(親)の役に立てば愛してもらえるが、そうでないとひどく叱られる
のように“条件付きの愛情”だった場合は当然、自分に対する愛情も条件付きになります。
つまり
«〇〇な自分には価値があるけど、そうでない自分には価値がない»
のような考えが身につくというわけですね。
こうなると当然、自己肯定感も低くなってしまいます。
例えば、この〇〇が「成功」だとしたら
«成功した自分には価値があるが、失敗した自分には価値がない»
という考えになり
「失敗が極端に恐くなる(=自己肯定感が低と感じる)」
となったりします。
ですが、このケースの場合、条件を満たしている間は本当に愛情をもらえていたので
「愛されて育ったのにどうして…?」
となりやすいんです。
ケース②:客観的な視点から愛されてると思い込んだ
次に考えられる可能性は「客観的な視点から自分は愛されてると思い込んだ」というものです。
これはどういうことかというと
- 家が裕福だった
- 物をたくさん買ってもらえた
- 親の外面がよく周りから羨ましがられた
- あなたは恵まれてると言い聞かされた
- 他の家はもっとひどいと言い聞かされた
など、客観的に見て自分は恵まれてる(愛されてる)と思い込んでしまったケースです。
ですが、本来愛情とは主観的に感じるものです。
極端にいうと、周りの100人が全員この子は愛されてると思えても、その子本人が求めてる愛情がもらえてないと感じていれば、その子の自己肯定感は低くなります。
愛情の形に正解なんてものはなく、あくまでその子が求めてるものを与えてあげられるかどうかなんですね。
そして、さらにこのケースの場合
「周りと比べて自分は恵まれてるし、周りからもあなたは愛されてると言われる」
「でも私はそうは思えないし、本当はもっと〇〇して欲しい…」
「こんな風に思う自分はわがままで親不孝なんだろう…私はなんてダメな子どもなんだ」
のように考えてしまいやすく、さらに自己肯定感が下がったりします。
ケース③:あまりの絶望から愛されてると無理矢理思い込んだ
最後は可能性としては低いですが、最も深刻なケース。
それは
「自分は愛されていないというあまりの絶望感から目を逸らすために愛されてると無理矢理思い込んだ」
というケースです。
これは文字通りの意味で、虐待・ネグレクトなど親から本当にひどい扱いを受けた場合に、そのあまりの絶望感から身を守るために
「自分は本当は愛されていた」
と心が無理矢理思い込もうとしたケースです。
実際には愛情を受けられなかったので当然、自己肯定感は低くなります。
さらにこのケースの場合、「本当は自分は愛されていなかった」という事実を否認することで、なんとか心を守っている状態です。
そのため、下手にその事実に直面させるわけにもいかず、カウンセリングにおいても非常に扱いが難しいケースです。
まとめ
いかがだったでしょうか?あなたはいずれかのケースに当てはまっていたでしょうか?
いずれのケースにおいても共通して言えるのは
『愛されていると思えるかどうかはその子自身が決めること』
ということですね。
つまり、どれだけ親が子どもを愛していても、その愛情の形が子どもの望むものでなければ、残念ながら自己肯定感は高くなりません。
これは本当に悲しいすれ違いで、誰も悪くない悲劇と言えます。
もしあなたが、本当は無条件の愛をもらえていなかったとわかったなら、そこには必ず「心の傷」が存在します。
その傷を解消することができれば、あなたの自己肯定感も高くなっていくはずですよ。
もし、そのために専門家の力を借りたいと思ったなら、一度体験セッションにお越しくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
心理セラピスト おおのたかゆき