目次
- 1 人がストレスに直面した時の3つ反応
- 2 心の問題でも3つの反応は起きている
- 2-1 1.凍り付く(服従モード)
- 2-2 2.闘う(反抗モード)
- 2-3 3.逃げる(回避モード)
- 3 悩みを解決するには悩みと直面すること
こんにちは。
心理セラピストの
おおのたかゆきです。
僕たち人間はストレスや脅威に直面した場合、必ず決まった3つの反応のどれかを取るとご存じですか?
その3つの反応とは、以下の通りです。
1.闘う(Fight)
2.逃げる(Flight)
3.凍り付く(Freeze)
これら3つの反応を説明する際、命の危険やトラウマ体験などを例に語られる場合が非常に多いです。
そのため、そういった「特殊な状況」にのみ起こる反応だといった印象が強く、実際に思っている方も多いかもしれません。
でも実は、この3つの反応は、僕たちが日々抱えているような心の問題に対しても起きています。
そして、この3つの反応を正しく理解することができれば、悩みを解決するのにも非常に有効なんです。
そこで今日は、心の問題に対する3つのストレス反応について解説していきます。
悩み・生きづらさを解消したいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
人がストレスに直面した時の3つ反応
まず、改めて人の3つのストレス反応について解説しますね。
人はストレスや脅威に直面すると、まず「闘うか?逃げるか?」をとっさに判断し、どちらも無理だと判断すれば身体を「凍り付かせ」ます。
これら3つの反応は人間というよりも全ての動物に備わっている反応です。
目の前に脅威や敵が表れた場合、闘うか逃げるかを考えるのは人も動物も同じですよね。
また、目の前に急にトラックが走ってきた場合、頭が真っ白になって身体が動かなくなると聞いたことはないでしょうか?
この反応が、まさに「凍り付く」反応が起きている状態です。
他にも、草食動物がライオンなどの肉食動物に襲われる際、一度噛みつかれるとすぐに動かなくなるような映像を見たことはありませんか?
あれは、闘うも逃げるもできないと判断した脳が身体を凍り付かせて痛みを遮断し、わずかな生き延びる可能性に賭けるといった反応なんです。
少し話がそれましたが、このように僕たち人間には3つのストレス反応が本能的に備わっています。
心の問題でも3つの反応は起きている
では次に、これら3つのストレス反応が心の問題に対しても起きているとはどういうことなのか?
それはたとえ同じ悩みを抱えていたとしても、その反応は3種類あり、その時の状況や人によって反応が異なるということなんです。
そして、僕はこの3つの反応を心の悩みに対する「3つの反応モード」と呼んでいます。
例えば、『自分には価値がない』といった思い(ストレス)を心の奥に抱えている人を例に解説してみますね。
1.凍り付く(服従モード)
心の奥に『自分には価値がない』という思いを抱えている人には、どんな悩みが表れると思いますか?
恐らく、
- 自信がない
- 人前で緊張する
- 重要な場面で失敗する
などの悩みが表れる場合が多いんじゃないかなと思います。
これはとてもわかりやすいですよね。
『自分には価値がない』と心の奥で思っているから自信がなくなる、というのはとても自然な反応かと思います。
こういった反応をさっきの3つに当てはめると「凍り付く」反応に該当します。
心の奥にある思い(ストレス)に対して抵抗を諦め、”服従”してしまっているような状態です。
僕はこの状態をわかりやすく「服従モード」と呼んでいます。
2.闘う(反抗モード)
なんとなく、3つの反応が心の問題でも起きているという意味がおわかりいただけたでしょうか?
次は、『自分には価値がない』という思いに対して「闘う」反応が起きるとどうなるかを考えてみましょう。
心の奥にある思い(ストレス)に対して「闘う」ということは、その思いに「反抗する」といった反応が表れます。
具体的に言うと、
- 自分はすごいとアピールする
- 過剰に人と競争して勝とうとする
など、心の奥にある思いに”反抗”して、逆に『自分には価値があるんだ!』と証明するような行動を取るということです。
あなたの身の回りにも過剰に自分を強く見せようとする人はいませんか?
そういう人は、実は心の奥では劣等感を抱えている可能性が高いということです。
そして僕はこの反応をわかりやすく「反抗モード」と呼んでいます。
3.逃げる(回避モード)
ここまでくればもうお分かりかと思います。
3つ目は「逃げる」反応が起きた場合ですね。
『自分には価値がない』という思いに対して「逃げる」反応を取るとは、その思いを見ないように”回避”するということです。
これにはあらゆる可能性が考えられますが、一例をあげると、
- 人と比べられる状況を避ける
- 何も考えなくて済むよう忙しくする
- アルコールやギャンブルなどに依存する
など、心の問題と向き合わなくていいような行動を取ります。
この反応をわかりやすく、僕は「回避モード」と呼んでいます。
悩みを解決するには悩みと直面すること
このように、人には3つのストレス反応があり、心の問題の場合はそれに応じた3つの反応モードを取ります。
- 闘う → 反抗モード
- 逃げる → 回避モード
- 凍り付く → 服従モード
そして、ここが今日お伝えしたい事の中で最も重要なポイントなんですが、心の問題を解決するためには「服従モード」になる必要があります。
どういうことかというと、自分の抱えている心の問題を解決するには、その問題としっかり直面する必要があるということなんです。
「反抗モード」や「回避モード」というのは、言ってしまえば自分の問題と直面できていない状態です。
その結果、周りの人や環境が悪いと言ってしまったり、本当の問題を避けるために別の新しい問題(ワーカホリック、依存症など)を引き起こしたりします。
そして、いつまでも悩み・生きづらさが解消しない人の多くは、このどちらかの状態に陥ってしまっているケースが非常に多いんです。
そのため、悩み・生きづらさを本気で解消したいと思った場合、まずは自分の問題としっかり直面すること。
自分の悩み、苦しみ、そして弱さとしっかり向き合い、それを受け入れた時、はじめて解決への道が開くんです。
これは文章で書くほど簡単な事ではありませんし、非常に勇気のいることだと思います。
でも、その勇気を一歩でも踏み出せた時、あなたの人生は変わっていくはずですよ。
一人ではどうしてもできないと思う場合、専門家の力を借りることも検討してみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
心理セラピスト おおのたかゆき