こんにちは。
心理セラピストの
おおのたかゆきです。
「感情を感じることが大切」
自己啓発や心理学に興味がある方は、一度はこの言葉を聞いたことがあると思います。
ただ、大切なのはなんとなくわかるけど、そもそも感情についてよくわかっていない…
という方が、ほとんどなんじゃないでしょうか。
そこで、今回は大切だと言われるこの「感情」について、ほとんどの人が知らない「3つの真実」をご紹介します。
本当の意味で、感情を大切にしたい方はぜひ最後までお読みくださいね。
真実その1:感情にはポジティブもネガティブもない
まず、一つ目の真実は『感情にはポジティブもネガティブもない』ということです。
確かに、「楽しい」時は気分が上がって、「悲しい」時は気分が下がるなど、生じる気分の違いはあります。
ただし、だからといって、
- 気分が上がる → ポジティブ → 良い感情
- 気分が下がる → ネガティブ → 悪い感情
なんてことはないんです。
これは、僕たち人間が、勝手に分類してラベル付けしているだけ。
感情の種類によってその役割や目的が異なるだけで、どの感情も生きていく上では等しく重要なものです。
実際に、ポジティブな感情とネガティブな感情のどちらか一方だけを感じるということは僕たち人間にはできません。
ポジティブな感情を強く感じる人はネガティブな感情も感じやすいし、ネガティブな感情を抑えつけているとポジティブな感情も感じにくくなるんです。
真実その2:どんな感情にも必ず終わりがある
次に、2つ目の真実は、『どんな感情にも必ず終わりがある』ということです。
どんなに悲しくても、どんなに不安でも、どんなにムカついても、感情には必ず終わりがあります。
どんな感情でも、一度生じると最初はどんどんその気持ちが大きくなっていき、ピークを迎えるとその後は徐々に収まっていき最後は消えてなくなります。
これが、本来の自然な感情の動きです。
ただし、この感情の動きを最後まで完了させずに途中で無理矢理止めてしまうと、未完了となった感情が体内に残り続けてしまうんです。
そして体内に残った感情は、ふとした拍子に「得体のしれない嫌な感情」として甦ってきたりします。
トラウマによるフラッシュバックは、これが起きているというわけですね。
トラウマ体験のような大きなショックを受けた場合は、脳がこれ以上感情を感じるのは危険だと判断して、強制的に感情を中断させるためにこれが起こります。
ただ、トラウマほどの大きなショックでなくても、僕たちは感情を中断させてしまうことが多々あります。
- こんなことで怒っちゃいけない
- 今は悲しんでいる場合じゃない
- 不安を感じる暇があれば行動しろ
こんな風に、感情を中断させてしまうことで、後になって「なんだかモヤモヤする」のようになってしまうんです。
言ってしまえば、このモヤモヤは「小さなフラッシュバック」なんです。
真実その3:感情には本物と偽物がある
最後に3つ目の真実、それは『感情には本物と偽物がある』ということです。
2つ目の真実で、感情には必ず終わりがあると言いましたが、実は例外があります。
それは、「偽物の感情」の場合は、どれだけ感じても消えることはないんです。
そして、「本物」と「偽物」の違いを簡単に説明すると、僕たちの脳は大きく分けると「動物脳」と「人間脳」の2部位に分けることができますが、
- 動物脳で生じた感情 → 本物の感情
- 人間脳で生じた感情 → 偽物の感情
となります。
言い換えると、生きていくために自然と生じるのが「本物の感情」、頭や理屈で考えた上で生じるのが「偽物の感情」と言えますね。
具体例をあげて説明すると、例えば、「誰かから一方的に理不尽に罵倒された」とします。
そういう時、動物脳で自然に生じる感情は「怒り」です。
しかし、ここで人間脳が「怒るのは良くない」と働いてしまう人は、何も言えずにただただ我慢して、最終的には悲しくなるかもしれません。
そうすると、中断された「怒り(本物の感情)」が残ってしまい、「言いたい事を言えなかったモヤモヤ」として残り続けてしまうんです。
ですが、本人は「怒るのは良くない」と思っているので、そのモヤモヤは「悲しさ(偽物の感情)」だと感じてしまいます。
こうなってしまうと、どれだけ「悲しみ(偽物)」を感じても「怒り(本物)」を感じない限り、このモヤモヤは一向に消えないんです。
もちろん社会人として、ケンカをした方がいいというつもりはありません。
ただ、後になってからでもいいので、「自分は本当は怒ってるんだ」と認めて、その感情をうまく消化できると、そのモヤモヤは消えていくんです。
まずは感情のジャッジを辞めてみよう
いかがだったでしょうか。
これがほとんどの人が知らない、感情の知られざる3つの秘密です。
そして、これらの秘密の中でも最も強く意識してほしいのは、1つ目の「ポジティブもネガティブもない」です。
まずはどんな感情であっても良い悪いのジャッジをせずに、ありのままの感情を受け入れることを意識してみてください。
そうすると、出てくる感情は自然に感じられるようになり、後に残ることも減っていくでしょう。
感情はどんなものでも”生きるため”に生じるもの、つまり、どんなものもあなたの味方なんです。
だから、あなたにとって大切な味方を、これからは大切に大切に扱ってあげてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
心理セラピスト おおのたかゆき