おはようございます。
心理セラピストの
おおのたかゆきです。
僕が心理セラピーを通して皆さんにお伝えしていることの1つに
「感情を適切に扱えるようになってもらう」
といった点が挙げられます。
これは、心の問題というのは、感情が適切に処理されずに未完了のまま残り続けていることで引き起こされているケースが多いからです。
そのため、適切な感情の扱い方を身につけていただき、未完了となった過去の感情をキレイに完了させることで、心の問題が解消されていくんですね。
中でも、僕たち日本人は、特に「怒り」の感情が苦手です。
世間一般的に「怒り」は”良くないもの”として扱われることも多く、ひどい場合は「怒りなんて偽物の感情だ」なんて言われることすらあります。
しかし、「怒り」は人間にとって非常に大切な感情の1つで、深い所では、
- 問題解決能力
- 好奇心
- 行動力
などとも関係しています。
そのため、「怒り」が全く使えなくなってしまうと、
- 問題に対処できないと感じる
- 無関心
- 無気力
などの問題が起きてしまうんです。
特に引きこもりやうつ病の方には「怒り」を出せるようにするセラピーが重要になってきますね。
というわけで、僕は普段から心理セラピーを通して「怒り」を出すための練習をしてもらうわけですが、その際に多くの方がこう仰います。
「怒りを出せるようになると 怒りっぽくなったり攻撃的にならないかが心配です…」
あなたはどう思いますか?
もしかしたら、同じように感じる方はとても多いんじゃないでしょうか?
実は何を隠そう僕自身も「怒り」は非常に苦手な感情で、最初は同じ様に思っていました。
ですが、これ、全くの逆なんです。
実は「怒り」を適切に出せるようになると、逆に怒ることが減って心が寛容になります。
でも、どうしてそんなことが起きるのか?
これは「コップの水」という例で説明すると分かりやすいんじゃないかと思いますが、怒りっぽい人やいつもイライラしている人は、コップに水がパンパンに溜まった状態なんです。
そのため、少しの水が注がれるだけですぐに水が溢れて(怒って)しまいます。
ですが、「怒り」を適切に扱える人は、そもそもコップに水を溜めません。
少しの水でも溜めずにちゃんと吐き出す。
そして、それは”少量の水”なので、周りから見ても「怒っている」とは認識されないことがほとんど。
- 嫌な事は嫌と言う
- できないことはちゃんと断る
実はこういった「NOと言う力」こそが本来の適切な「怒り」なんです。
つまり「怒りを適切に扱える」とは、こういった事を声を荒げずに普通のコミュニケーションとして伝えられるということです。
逆に「怒り」がうまく扱えない人はギリギリまで我慢して爆発したり、いつも我慢しているのでちょっとの刺激でもすぐに”キレて”しまったりするわけです。
「怒り」を扱えることがいかに重要な事か少しはお分かりいただけたでしょうか?
もちろん、現時点でコップの水がたくさん溜まってしまっている人は、一度それらの水を吐き出す必要があります。
その時は激しい怒りになってしまう場合もあるでしょう。
それを日常生活の中でやってしまうと周りに迷惑がかかったり、下手をするとトラブルになってしまいます。
そのため、心理セラピーという、誰にも迷惑がかからない空間で怒りをしっかり出すことに意味があるんですね。
もし、あなたも普段から「怒り」を我慢していると感じるなら、まずは、
- 嫌な事は嫌と言う
- できないことは断る
くらいから意識してみてください。
そうやって「小さな怒り」を出せるようになってくると、大きな怒りになるまで、怒りを溜めなくて済みますよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
心理セラピスト おおのたかゆき