こんにちは。
心理セラピストの
大野貴之(おおのたかゆき)です。
いきなりですが、あなたはちゃんと怒れますか?
怒りの感情は一般的には悪いもの扱いされることが多く、「抑えないといけないもの」といったイメージが強いです。
ですが、実は「怒り」は人間にとって大切な感情の一つで、逆にこれが上手く使えないと様々な心の病気に陥る危険すらあるんです。
今日はそんな「怒り」の大切さについて解説していこうと思います。
普段から自分は「怒り」が苦手だと感じる方は、ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。
なぜ「怒り」が大切なのか?
そもそも人間にはなぜ「怒り」の感情が備わっているんでしょう?
長い生物の歴史の中で未だに「怒り」の感情が残っているということは、やはり生きるためには必要だからなんだと思います。
ではどうして必要なのか?「怒り」の役割とはいったい何なんでしょう?
それはズバリ、
『目の前の問題を解決したり、大切なものを守るため』
なんです。
もう少し具体的に言うと、
- 嫌なことには嫌だと言う
- 目の前の問題を解決する
- 好奇心や行動力を生み出す
などが、「怒り」の感情の本来の役割です。
逆に言うと、「怒り」の感情が適切に使えない人は、
- 嫌なことでも断れない
- 問題解決が苦手
- 何事にもやる気が出ない
などの問題を抱えてしまうことになります。
つまり、人間が幸せに生きていくためには、「怒り」もまた、なくてはならない感情の一つだというわけです。
「怒り」が使えないとどうなるのか?
「怒り」の感情にもちゃんとした役割があり、適切に使えないと様々な問題が起こります。
- 例えば、嫌なことを嫌だと言えず周りにいつも振り回されてしまったり…
- 何か問題が起きてもどう対処すればいいかわからずパニックになってしまったり…
- ひどい場合は何もする気力が起こらず、引きこもりやうつ病になってしまうケースもあります。
また、「怒り」を自分の中に溜め込みすぎると、そのエネルギーの矛先が自分自身に向いてしまい、自己否定、自責、罪悪感などに変化してしまいます。
このように、実は「怒り」をうまく使えないことが心の病気の原因となっているケースも少なくないんです。
僕たち日本人は小さい頃から礼儀を重んじたり、自分よりも他人のことを優先するような教育を受けてきました。
もちろんそれ自体は素晴らしいことで、それが日本人の良さでもあります。
ただし、それが行き過ぎると「怒り」をうまく使えなくなり、結果的に自分が心の病気になってしまうといった悲劇が数多く起こっているんです。
「怒り」と「キレる」は別物
ただ、「怒り」が大事と言われると、他人を傷つけもていいのか?と思う人もいるかもしれません。
ですが、もちろんそれは違います。
そもそも「怒り」と「キレる」は全くの別物なんです。
冒頭にもお伝えしたように、「怒り」には他人を傷つけるような役割はありません。
時には、結果的に誰かを傷つけてしまう場合もあるかもしれませんが、あくまでその目的は自分を守るためで人を傷つけるためではないんです。
しかし、「キレる」というのは最初から他人を攻撃することが目的の感情です。
そして実はその正体は「怒り」ではなく、「悲しみ」か「恐れ」の場合がほとんど。
本当は悲しさや恐さを感じているにも関わらず、それをうまく表現できない人が代わりに使う偽物の感情が「キレる」といった感情の正体です。
少し複雑な話になりましたが、ここでは「怒り」と「キレる」は別物だと理解してくだされば結構です。
まずは一人で怒りを出す練習をする
「怒り」の感情は一般的には悪者扱いされることが多いですが、本当は人間が健康に生きるためにも欠かせない感情の1つです。
そのため、うまく「怒り」を使えずに溜め込んでしまうと様々な心の病気を引き起こしてしまいます。
だから「怒り」を感じる時は、その感情をちゃんと表現することが大切。
ただ、だからといっていつも「怒り」を露わにしていては、社会生活を送る上で別の問題が生じてしまいますよね。
ですので、まずは一人の時に「怒り」を表現する練習をしてみてください。
おすすめなのは、
- 「ムカつく!」等と言葉で表現する
- 新聞紙などを丸めてクッションを叩く
などの方法です。
まずはこういったやり方で一人でうまく怒りを出せるようになってください。
それを繰り返していれば、やがて誰かといる時でも自分の意見を言えるようになったり、問題が起きても冷静に対処できるようになると思いますよ。
ただし、怒りは人にぶつけるものではありません。
そこは勘違いしないよう、うまく自分の怒りと付き合ってみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
心理セラピスト 大野貴之