こんにちは。
心理セラピストの
大野貴之(おおのたかゆき)です。
僕たち人間は悩む生き物です。
どんなに周りからすごいと思われる人でも、悩みが全くない人はいないでしょう。
ですが、同じように悩んでいたとしても、自分の悩みを解決していける人がいれば、いつまでも解決できない人もいますよね。
この両者の違いはいったい何なんでしょうか?
それはズバリ、「悩みを具体的に分解できているかどうか」なんです。
悩みを解決できる人は自分の悩みが具体的に分解できていて、いつまでも悩みが解決しない人は悩みが漠然としているというわけです。
そこで今回は悩みを具体的にする方法をご紹介したいと思います。
悩みや生きづらさを感じているけど、それが漠然としていてどうしたらいいかわからない方はぜひ最後までお読みください。
漠然とした悩みは絶対に解決できない
まず、大前提として僕たち人間は漠然とした悩みは絶対に解決できません。
なぜなら、そもそも何をどうしたいのかがわからないと解決方法を探しようがないからです。
例えば、今いる地域から引っ越したいという悩みを持っている人がいるとします。
その人があなたに「どこかいい所を紹介してください」と言ってきたらどうしますか?
絶対的なおすすめがあれば話は別かもしれませんが、多くの場合、まずは「どんな所に住みたいの?」と聞きますよね。
より詳しく聞く場合は、「今の地域の何が嫌なの?」とかも聞いた方がいいかもしれません。
このように、悩みを解決するには
- 何に悩んでいるのか?
- どうなればいいのか?
が、それぞれ明確にならないと解決方法を探しようがないんです。
ですが、いつまでも悩みが解決しない人は、そもそも何に悩んでいてどうなればいいのかを自分自身で分かっていません。
なので、悩みを解決するには、まずその悩みを具体的に分解すること。
何に苦しんでいて、それがどうなれば楽になるのか?
それがはっきりすることが、悩み解決のスタートになるんです。
心の悩みは「場面→思考→感情→行動」のパターン
とはいえ、心の悩みは「どこに引っ越したいか」という悩みと比べるとはるかに複雑だと思います。
そこで、ここからは心の悩みを具体的に分解するためのヒントをご紹介しますね。
実は心の悩みというのは、「場面→思考→感情→行動」のパターンなんです。
というのも、僕たち人間は
- ある「場面(出来事)」に対して
- まず「思考(認知・イメージ)」し
- その結果「感情(喜・怒・悲・恐)」を感じ
- それに応じて「行動(選択)」する
といった決まったパターンを無意識に持っています。
例えば「人前で緊張する」といった悩みを持っている場合、
- 【場面】「人前にでる」と、
- 【思考】「人から批判されるかも…」と考え、
- 【感情】「恐く」なって
- 【行動】「体が緊張する」
といったパターンを持っているんです。
そして、このように「場面→思考→感情→行動」に分解して考えると、漠然とした心の悩みであっても何がどうなっているのかがはっきりしてくるでしょう。
悩みを具体的に分解する方法
では、ここからはさっきの「場面→思考→感情→行動」のパターンを使って悩みを具体的に分解する方法をご紹介しますね。
漠然とした悩みを具体的に分解するには以下の3ステップが必要です。
- 悩みを「場面→行動」に分解する
- 「行動」を「思考→感情→行動」に分解する
- 理想の「思考→感情→行動」を考える
それぞれ細かく解説していきます。
1.悩みを「場面→行動」に分解する
まずはじめに、今感じている悩みを「場面(出来事)→行動(選択)」に分解してみましょう。
自分が感じている悩みとは、「どんな場面(出来事)」で「どんな行動をしてしまう」ことなのかを考えてみてください。
さっきの例でいうと
- 【場面】「人前に出る」と、
- 【行動】「ひどく緊張する」
といった感じです。
まずはここを明確にするのがステップ1です。
2.「行動」を「思考→感情→行動」に分解する
悩みを「場面→行動」に分解できたなら、次は「行動」を「思考→感情→行動」に分解してみましょう。
そのためにはこんな風に考えてみてください。
- あなたがその行動をとる時、どんな気持ちがしていますか?(感情)
- その気持ちが出てくる時、何を考えたり想像していますか?(思考)
こう考えることで、「行動→感情→思考」とさかのぼっていくことができます。
さっきの例に当てはめると、「ひどく緊張する」時、
- あなたがその行動をとる時、どんな気持ちがしていますか?
→不安でいっぱいになっている(=感情)
- その気持ちが出てくる時、何を考えたり想像していますか?
→人から批判されることを想像している(=思考)
のような感じですね。
ここまで分解できると、あなたが何に悩んでいるのかが明確になったはず。
これがステップ2です。
3.理想の「思考→感情→行動」を考える
最後は、「これがどうなれば楽になるのか?」を考えてみましょう。
そのためには、同じ「場面」に対する理想の「思考→感情→行動」を考えてみてください。
さっきの例なら「人前に出る」という場面で、
- 【思考】「皆が好意的に聞いてくれている」と考え
- 【感情】「安心感」を感じ
- 【行動】「落ち着いて話しをする」
といった感じです。
これで同じ「場面」に対する現状の「思考→感情→行動」(何に悩んでいるのか)と、理想の「思考→感情→行動」(どうなりたいのか)がはっきりしましたね。
これだけでも、悩みがかなり具体的になったと思います。
こんな風に、「自分が何に悩んでいてそれがどうなればいいのか」がはっきりすれば、人の脳は自然とその方法を探し始めるんです。
まずは何に悩んでいるのかを理解すること
僕たち人間は「わからないもの」に対して強い不安を覚えます。
つまり、漠然とした悩みを抱えている時はその悩みに対する不安も上乗せされているため、より辛く感じてしまうわけです。
そのため、まずは悩みを具体的に分解すること。
それができるだけでも不安が減る分、体感的な辛さは大きく軽減されるでしょう。
また、僕たちの脳は「何をどうしたいか」がはっきりすると、無意識にそのための方法を探し始めます。
そうすることで、悩みの解決方法も見つかりやすくなるというわけです。
もしあなたが、いつまでも悩みが解決せずに苦しんでいるのなら、まずは今回の方法を試してみてください。
その上で、どうなりたいかがわかったけどその方法がわからないと感じた時は、専門家の力を借りてみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
心理セラピスト 大野貴之