こんにちは。
心理セラピストの
大野貴之です。
最近ありがたいことに、カウンセリングのご依頼も多くいただくようになってきました。
僕は自分を諦めてきた人が人が自分らしく生きていくにはカウンセリングとコーチングの両方が必要だと考えているので、これは僕としてもとても嬉しいことです。
でもカウンセリングっていったい何をするの?とイメージがわかない人もいると思います。
そこで今日はカウンセリングについての少し意外というか衝撃的(?)なお話。
『実はカウンセラーは悩みを消そうとしていない』といった話を書いてみようと思います。
カウンセリングに興味がある方は、ぜひ最後までご覧になってください。
カウンセリングは悩みを消そうとしない
カウンセリングを受けに来る人の多くは、悩みを解決してもらおうとしてやってきます。
まぁ当然ですよね。
悩みを抱えていて、それを解決してくれるらしい人がいるからお金を払ってカウンセリングを依頼するわけです。
しかし、ここで衝撃の(?)事実をお伝えしようと思います。
それは…
実は、『カウンセラーは相手の悩みを消そうとは思っていません。』
どういうこと?詐欺師ってこと?
そんな風に思った方もいるかもしれませんね(笑)
ですが、そうではありません。
悩みを消そうとは思っていませんが、決して解決する気がないという意味でもありません。
実はカウンセラーが目指しているのは「抱えている問題がなくなった状態」ではなく、「問題がなくならなくても問題だと感じなくなる状態」なんです。
「不眠と不眠症」や「不安と不安症」は別物
悩みを抱えている人にとって、それが深刻であれば深刻であるほど、その悩みを憎んだり早く取り除いてほしいと思ったりするものです。
このように、多くの人にとって自分の中にある悩みは問題こそが諸悪の根源と考えがちですが、実はこれは間違った考え方なんです。
心の問題の場合、本当の問題は問題そのものにあるのではなく、問題を問題だと捉えていることにあります。
例えばアドラー心理学では、「劣等感」と「劣等コンプレックス」は別物だと言います。
これは「劣等感」自体は決して悪いものではなく、劣等感を悪いものだと考えている「劣等コンプレックス」という状態が問題だという考え方です。
事実、劣等感は人によっては向上心の源になっている場合もあり、劣等感があるから頑張れるという人だって世の中にはたくさんいます。
同じように「不眠」と「不眠症」や「不安」と「不安症」もそれぞれ別物。
「不眠」は眠れない状態ですが、好きなことに熱中して眠れない場合はほとんどの人がそれを気にしませんよね。
そして「不眠」に悩んでいる状態になってはじめて「不眠症」と呼ぶようになります。
「不安」も本来は危険を察知するための人間にとって欠かせない能力ですが、それに悩む状態になると「不安症」になります。
このように、心の問題の多くはそれ自体に問題があるわけではなく、それを問題と捉えて悩んでいることによって問題化してしまっているんです。
自分の中にある嫌なものほど受け入れる
また、カウンセラーが問題を消そうとしない理由はそれだけではありません。
実は心理学の世界には「努力逆転の法則」と呼ばれるものがあります。
これは簡単に言うと、「心の中にある問題を排除しようとすればするほどかえってそれが強まってしまう」という現象です。
例えば、
- 不安を消そうとすれば余計に不安が強くなる
- 緊張を消そうとすれば余計に緊張する
- 早く眠らないと思えば思うほど眠れなくなる
など。
あなたも一度は経験したことがあるんではないでしょうか?
つまり心の悩みが深ければ深いほど、それを排除しようするのはうまくいく可能性がかなり低いんです。
そのため、カウンセラーは悩みを消そうとするのではなく、どうしてその悩みが問題だと思っているのか?を明確にしてそれを受け入れていく(統合していく)アプローチを取ります。
要するに、とても皮肉にも聞こえるかもしれませんが、『自分の中にある嫌なものほど受け入れる』ことで結果的に心の悩みは解決につながるんです。
まずは自分を知り、受け入れること
悩みが深くなればなるほど、自分が何に苦しんでいるのかが自分でもはっきりわかっていない状態になりがちです。
その結果、ざっくりと
- 自分はどこかおかしい
- 自分は運が悪い
- 自分には価値がない
のように、自分の人格や存在自体に問題があると捉えてしまうことも多いんです。
ですが、どんな人であっても人格や存在に問題がある人なんていません。
些細な誤解や認識のずれが積み重なり、問題の実態が見えなくなっているだけなんです。
だからまずは自分が何に悩んでいるのかを細かく知っていくこと。
その上でそれは本当に問題なのか?うまく付き合っていく新しい捉え方や考え方はないか?など、その悩みを受け入れる(統合する)アプローチこそが解決への近道なんです。
そしてそれを頭で考えるだけでなく、身体の感覚を使って悩みにアプローチしていくのが僕が行っているカウンセリングの1つ。
もし自分では悩みをどうしようもできないと悩んでいる方は、一度専門家の力を借りてみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。