こんにちは。
心理セラピストの
おおのたかゆきです。
「あぁ…あの人怒ってるな」
「あの人は悲しいに違いないな」
こんな風に他人の感情を敏感に察知してしまうことはありませんか?
人の目が気になってしまう人やHSPと呼ばれる繊細な気質を持つ人には、特に多いんじゃないかと思います。
実は僕自身も昔からこういうことが多く、サラリーマン時代は相手の些細な反応を見て落ち込んだり、他の人の感情を背負って苦しくなっていました。
でも今日は、そんなあなたに少し衝撃的なお話をします。
『その感情、本当に相手から共感したものなの?』
実は多くの人が「共感」だと思っているものが、『全く別の心理現象』の可能性もあるんです。
今日はそういった共感に似たある心理現象について解説していきます。
日頃から共感することが多く、それがストレスになってしまうような方はぜひ最後までお読みください。
それは本当に共感なのか?
僕は小さい頃から他人の感情を敏感に察知することが得意で、その反面ネガティブな感情に苦しむことも多くありました。
特に「怒り」の感情が苦手で、例えば電車で知らない人同士がケンカをしているような場面に出くわすと、それだけで胸が苦しくなるほど。
この”現象”だけを見ると、共感力が強いとか、HSP気質だといった言葉が浮かぶ人も多いでしょう。
しかし、僕のこの現象は、心理セラピーを受けて心の傷を解消したことで、今ではすっかりなくなったんです。
本来、共感力やHSPというのは「生まれ持った気質」であり、うまく付き合うことはできてもその気質を消すことはできません。
にも関わらず、この現象が起きなくなったというのは、いったい僕に何が起こったんでしょうか?
その答えは単純で、僕は共感力がずば抜けて高いわけでもHSP気質があるわけでもなかったということ。
そして、僕がこれまで「共感」だと思っていたものが、実は全く別の心理現象だったんです。
ではその心理現象とはいったい何なのか?
それはズバリ、『抑圧と投影』です。
「共感」ではなく『投影』が起きていた
「抑圧と投影」とは人の防衛機制の一種で、簡単に言うと『自分にとって不都合なものを他人に押し付けることで身を守ろうとする心の働き』です。
もう少し詳しく言うと、まず『抑圧』とは、自分の中に認めたくない嫌な部分がある場合に、無意識にその部分にフタをして見ないようにする心の働き。
そして『投影』とは、抑圧した部分を他人に押し付ける(他人の中にあるように感じる)ことで、自分の身を守る心の働きです。
例えば、「怒るのはよくないことだ」と思っている人がいるとします。
この人は、自分の中に怒りが生じたとしても無意識にそれを見ない(感じない)ようにします。(=抑圧)
その時、無意識に抑圧した怒りの感情を他人に押し付ける、つまり、他人が怒りの感情を抱いているように感じてしまいます。(=投影)
その結果、本当は自分が怒っているにも関わらず「あの人は自分に怒ってるに違いない」と思ってしまうんです。
つまり、僕がこれまで「共感」だと思っていたものは「抑圧と投影」で、僕自身がずっと怒りを抑圧していたことで起きていた現象だったということです。
確かに僕は怒りが苦手で、言いたい事があってもそれを言えずに我慢してばかりでした。
僕が心の傷を解消したことで起きた変化とは、この怒りに対するネガティブなイメージを払拭し、自然に表現できるようになったことです。
その結果、怒りを抑圧しなくなったので、他人の怒りに敏感に反応することがなくなったというわけです。
まずは自分の心の声に耳を傾ける
「抑圧と投影」は日常のあらゆる場面で起こっています。
例えば、
- 「人を見下してくる人が嫌い」という人が、誰よりも上限関係を気にしている
- 普段から失礼な態度をよく取る人ほど、他人の失礼な振る舞いに文句を言っている
など、本人が気づいていないだけで頻繁に起きているんです。
そして、もし「共感」しすぎることに苦しんでいる場合、それは普段から自分自身の気持ちを抑圧しすぎている可能性があります。
なお、誤解のないように言っておくと、これは「共感やHSPなんてない」という意味ではありません。
実際に共感力が強いエンパスと呼ばれる気質やHSP気質はあると思っています。
しかし、自分がそういった気質だと思って諦めている人の中にも、実は僕のように心の傷によって投影が起きているだけ(=解消できる)という可能性もあるんです。
ですので、まずは自分が普段から我慢しすぎていないか?
そういった自分の心の声にこの機会に耳を傾けてみてください。
その声を普段から聞いてあげること、そしてその声を少しずつ表現していくこと。
そうすることで、あなたが今抱えている生きづらさも少しずつ解消されていくかもしれませんよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
心理セラピスト おおのたかゆき