「親のようにはならない!」そう強く誓った人ほど親に似てしまう心理的理由

おはようございます。
心理セラピストの
おおのたかゆきです。


前回のブログでは、


両親の仲が悪いと、子どもは自分を嫌いになってしまう


というお話をしました。


簡単におさらいすると、子どもは両親それぞれの要素を受け継いで生まれてきます。


そのため、片方の親がもう片方を否定していると、子どもは”自分の中にある親に似た部分”を否定するようになってしまう…


そんな心の仕組みについてお伝えしました。


今日はその続きです。


自分の中の親に似た部分を否定し続けると、一体何が起きるのか?


実はここには、少し怖いけれど、知っておかないと抜け出せない「心の法則」が働いているんです。

消そうとするほど大きくなる「努力逆転の法則」

今日の話をする上で欠かせない、大切な法則があります。


それは努力逆転の法則というものです。


これは、


何かを排除しようとすればするほど、逆にそれが強化される


という心の仕組みのこと。


例えば、こんな経験はありませんか?
 

  • 「緊張しちゃダメだ!」と思えば思うほど、心臓がバクバクする
  • 「もうあの人のことは考えない!」と思えば思うほど、頭から離れない


このように、私たち人間の心には“排除しようとするもの(否定するもの)”を、逆に大きくしてしまう性質があるんです。


そのため、「自分の〇〇な所が嫌い」と思えば思うほど、逆にその嫌いな部分がどんどん目立つようになってしまいます。


……そう、もうお分かりですよね。


自分の中の親に似た部分を否定すればするほど、皮肉なことに、あなたはどんどんその親に似ていってしまうわけです

「お父さんみたいになりたくない」と願った息子の末路

わかりやすくするために、ちょっと極端な例でお話ししますね。


ある家庭に、アルコール依存症で母親に暴力を振るう父親がいたとします。


その家の子ども(男の子)は、当然お母さんの味方につきます。


そして、心に強く誓うんです。


「お父さんが大嫌いだ」
「僕は絶対、お父さんみたいにはならないぞ!」


でも、昨日の話でも触れたように、子どもはそんな父親のDNAも確実に受け継いでいます。


大人になるにつれて、ふとした瞬間に自分の中に「父親の面影(カッとなりやすい気質や見た目など)」を見るようになります。


それに気づいた彼は愕然として、その部分を必死に否定して消そうとするでしょう。


でも、否定すればするほど「努力逆転の法則」が働き、その部分は逆にどんどん強化されていきます。
 

  1. 自分自身がどんどん嫌いになる
  2. 精神的に不安定になる
  3. 怒りが抑えられなくなる
  4. 気がつけば、お酒がやめられなくなる


そして最終的には…あれほど大嫌いだったはずの父親と、同じことをするようになってしまうんです


「そんなバカな!」と思うかもしれませんが、これ、カウンセリングの現場では決して珍しくない事例なんですね。


(ちなみに女の子の場合は、父親に似た人をパートナーに選んだりします)

親を許さなくていい。「事実」だけを認めてあげる

これまでの話を通じて、僕が何を伝えたかったのか、最後に大切なことをまとめます。


まず「親の立場」の方へ。


どれだけ夫婦仲が悪くても、子どもにとっては「唯一の親」です。


「夫婦の問題」と「親子の問題」は完全に別物だということを、どうか忘れないであげてください。


そして次に「子の立場」の方へ。


僕は別に「親を愛しましょう」とか「親に感謝しましょう」なんて綺麗事を言うつもりはありません。


色んな事情があるでしょうし、そう簡単に許せないことだってありますよね。


ただ一つだけ。


『自分はその親から生まれ、その親の一部を確実に受け継いでいる』


という“事実”だけは、否定しないでほしいんです。


悪いのは親であって、あなたではありません。


どれだけ似ていたとしても、親とあなたは別の人間なんです。


だから、そんな「似てしまっている自分」も否定せず、「ああ、私の中にあの人の要素があるんだな」と、ただ認めてあげてください


不思議なことに、嫌な部分こそ「認めて受け入れる(否定をやめる)」と、逆に目立たなくなっていきます。


これが、努力逆転の法則が”良い方向”に働く瞬間です


親を嫌いなままでいい。
親を憎んだっていい。


ただ、「自分はその親から命をもらった」という事実だけは否定しないこと


そうやって自分自身を受け入れられた時、あなたは本当の意味で、親の呪縛から離れて自由になれるはずですよ。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


心理セラピスト おおのたかゆき