こんにちは。
心理セラピストの
大野貴之(おおのたかゆき)です。
自分が抱えている心の悩みと、同じような悩みを親も抱えていると思う…
あなたはそんな風に思うことはありませんか?
僕は昔から何度もありまして、母親の嫌な所も父親の嫌な所もしっかり受け継いでるなぁ…と良く思ったものです。
こんな風に思うと、やっぱり性格は遺伝だから変えられないとか、親が心の病気にかかっている場合は自分も同じようになるのではと考えてしまいますよね。
ですが、僕はこれ、遺伝ではなく『世代間連鎖』によって起きているものと考えています。
今回は
- 心の病気は遺伝するのか?
- 遺伝と世代間連鎖の違いは?
などを解説していきたいと思います。
自分の悩みは遺伝だから解決しないと考えている人は、ぜひ最後までお読みいただきたいです。
心の病気は遺伝するのか?
まず、そもそも心の病気は遺伝するのか?といった所からお話していきますね。
結論から先に言いますと、心の病気が遺伝するかどうかはまだはっきりとはわかっていません。
いきなり拍子抜けしてしまった方もいるかもしれませんが(笑)、現代医学ではまだ100%の答えは出ていないんです。
しかし、その上であえて僕の考えを言わせていただくと、「一部遺伝するものもあるがほとんどは生まれた後に身につけたもの」と考えています。
なぜなら、生まれたばかりの赤ちゃんは「生きるのが辛い」「人が恐い」「失敗が恐い」のようには考えませんよね。
どんな人でも生まれた時点では健康な心を持っていますが、その後の養育環境によって不幸にも心の病気を身につけてしまったというわけです。
つまり、たとえ親子で同じ心の病気を抱えていたとしても、それは遺伝ではなく「世代間連鎖」が起こったんだと僕は考えています。
遺伝と世代間連鎖の違い
では「遺伝」と「世代間連鎖」は何が違うの?そもそも「世代間連鎖」って何?
もしかしたら、あなたはそんな風に思ったかもしれません。
まず、「遺伝」とはDNAによって生まれた時から備わっているもののことです。
外交的⇔内向的、積極的⇔消極的などの性格の違いは親から遺伝するとも言われていますね。
一方、「世代間連鎖」とは、生まれた時点では備わっていないが、親の影響を受けて生まれた後に身につけてしまうといったものです。
これだけだとイメージがつきにくいと思うので具体例で説明しますね。
最もわかりやすいのは愛着の問題です。
例えば、子どもの頃に親から十分なスキンシップを受けずに育った場合、大人になってからも愛情を与えたり受け取ったりするのが苦手になってしまいます。(愛着障害)
するとその人が親になった時、自分の子どもに対しても愛情を与えたり受け取るのを苦痛に感じてスキンシップが少なくなり、結果的にその子も愛着障害になってしまいます。
そしてその子が親になった時もまた同じことを繰り返す…これが「世代間連鎖」と呼ばれるものです。
もちろんこれは必ず起きるものではありませんが、実は多くの家庭でこういったことが起きているんです。
世代間連鎖は心理療法で解消できる
「遺伝」は生まれた時から備わっている(先天的な)もの、「世代間連鎖」は生まれた後に身につける(後天的な)ものです。
じゃあ結局どちらも親の影響を大きく受けることには変わりないじゃないかと思うかもしれませんが、実は両者の違いはそれだけじゃないんです。
「遺伝」と「世代間連鎖」の一番の違い、それは、
「遺伝」による影響は変えられないが「世代間連鎖」による影響は変えられる
といった点です。
「遺伝」はDNAによる影響なのでそう簡単に変えられるものではありませんが、「世代間連鎖」は”心の問題”なので心理療法などで解消できるんです。
生まれつきの性質は変えられませんが、人によって負った傷は人によって癒やすことができるんですね。
一番大事なのは克服できると信じること
ここまでの内容をまとめると、
- 心の問題の多くは生まれつきではなく生まれた後に身についたもの
- 生まれた後に身についたものは心理療法で解消できる
ということです。
しかし、もし「自分の問題は遺伝だから治らない」と思いこんでしまうと、脳は本当に治す力を失ってしまいます。
本来であれば解消するはずだった問題でさえも、自らその可能性を閉ざしてしまうことになるんです。
つまり、一番大事なのは「自分の問題は克服できるものだ」と信じること。
今がどんなに辛くても、これだけはどうか忘れないでください。
そうすれば、どんなに辛い問題でもどこかに必ず道はあります。
もし一人で問題に立ち向かうのが難しいと感じるなら、ぜひ一度体験セッションを受けてみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
心理セラピスト 大野貴之